Lifesaving - 感じる鼓動 - 7章

・ LIFE ３０４ ページ23

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・No side






腕にギプスを巻き、鼻にチューブをかけてベッドに横たわる藤川の隣には、未だに意識が戻っていないAの姿。




藤川は度々Aの方を見てはチラリとバイタルを確認したり、怪我をしていない方の手を伸ばして脈を測ったりしていた。




モニター上では生きてることがわかるのになぜだか確認してしまいたくなるのは、彼女が消えてしまいそうだったから。




そんな藤川の視界に白石がするりと入り込んだ。





藤川｢よう、白石！｣





Aをジッと見ていたことについてなんて言えばいいのか分からず片手をあげておどけてみせる。




けれど白石の表情は優れずどこか落ち込んでいた。





藤川｢何、どした？｣


白石｢……藤川先生、｣


藤川｢ん？｣


白石｢ごめんなさい｣





ガバリ、と頭を下げた白石に戸惑う藤川。





藤川｢……？ん？なんで？え？｣


白石｢私が現場に残れって指示をした。だからあなたを危険な目に遭わせた。｣


藤川｢え……何言ってんだよ！安全確認だって取れてたし、あんなの予測できねぇだろ｣


白石｢っ、でも、！｣





そうだ、予測できなかった。それは白石も分かってる。重々承知しているけれど謝らずにはいられなかったのだ。





藤川｢それより…俺こそごめん｣


｢……え、？｣





話を変えるかのように神妙な面持ちで言う藤川に白石は素直に甘えた。





藤川｢やっぱり俺、一般整形に戻る。｣





ああ、なんとなく分かっていた。と白石の心の中に冴島の笑う姿が思い浮かぶ。





藤川｢整形外科の大原部長に話したらさ、向こうもあっさり歓迎してくれちゃって｣


白石｢……そう、良かった｣


藤川｢即戦力？なんつって(笑)｣


白石｢そうだね。藤川先生は頼りになるから｣





普段なら絶対にそんなことを言わないのに言ってしまったのは、白石の目線が未だ眠り続けるAに行っていたから。








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