17話 ページ19
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及川サイド
翌日、齋藤ちゃんは練習に遅れてやってきた。
目の下のクマは取れているけど、やっぱりやつれたように見えるんだ。
昨日は声をかけずにそのまま帰ったから、齋藤ちゃんのその後のことは知らない。
あの悲痛な叫びが耳にこびりついている。
『心配かけてすいません、』
苦笑しながら体育館に入ってきた齋藤ちゃんに金田一が駆け寄る。
それに笑顔を見せる齋藤ちゃんの顔には、嘘はないように見えた。
及「ミーティングやるよ〜」
明日練習試合だと伝えると、分かりやすく顔を強ばらせた齋藤ちゃん。
それに岩ちゃんも気づいたみたいで、視線が会って頷かれる。
お前が謝るついでに聞けよ、ってことだ。
花「相手は?」
及「凪山だよ…、あっ」
自分で言って自分で気づいた。
齋藤ちゃんの中学校。
これ以上話したらボロが出てしまう気がして、話を切り上げた。
岩「中学相手だが手を抜くなよ、強力な一年がいるらしい」
松「宮城の中学で最強だもんな、あそこ」
片付けをするみんなを横目に、俺は齋藤ちゃんを呼び出した。
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作者名:Lie麦マFin | 作成日時:2019年6月8日 16時