息をする理由に答えたい【名探偵コナン】

24話 ページ25

あの頃は父親という面影に落ち着いていた感情がまた暴れ出すのを感じたのを覚えている。













『“おもうり”さんの家の子供になりたい…お父さんになってよ…』














そんな感情のまま出た言葉だった。

















無理なのは分かってた、でももしかしたらって微かな望みをかけたんだ



















「…！悪ぃな嬢ちゃん、お父さんにはなってやれない＿＿＿＿｣















バカが着くほど正直な人なんだと思う。
子供の戯言なんて笑ってはいはい、って流せばいいのに



















バカ真面目にこちらの目を見つめ、そう告げる“お巡りさん”の顔が歪んで見えた。

















私の眼に、なんて残酷な現実だと涙の膜が貼ったからだ。



















「父親にはなれないが、何かあったらいくらでも守ってやる。父親の代わりにな。辛くなったらここに電話したらいい。いつも出れるとは限らねえが必ず助けに行く。だが急を要するときは表の電話番号にかけるんだぞ、んで俺の名前を言うんだ。」
















裏返しの名刺には11桁の数字が並べられていた。


















「“おもうり”じゃないぞ、俺の名前は＿＿＿＿＿。」


















『あれ、なんて名前だったけ“おもうり”じゃないってことしか思い出せないや』



















あのラーメンの味もお巡りさんの微かな煙草の匂いも、思い出せるのに

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