Mission.108 ページ8
Hiyama side
｢怪我の様子はどう？｣
檜｢回復傾向で、本日午後には退院予定です｣
皇｢…、｣
｢そっか、それは良かった｣
久しぶりに聞く、落ち着いた低い声にゴクリと唾を飲む
優しいんだか、薄情なのか、冷酷なのか、なんとも言い難い人
……………俺らの直属の上司で、俺らを引き抜いた張本人
｢保護対象の女性は？｣
檜｢数日前に退院して、今は僕らの支部に｣
｢…どう処分するつもりだ？｣
皇｢あの、処分はしないって話では、！｣
｢俺としてはお前らを救った人だ、殺したくはないよ。でもな｣
"上はそれじゃ黙ってないぞ"
いつも、いつでも、この人は冷静だ。＿＿＿＿櫻井さんは。
櫻｢どうする檜山、俺も所詮お前らと同じ出身だ｣
"してやれることは限りなく少ないぞ"
櫻井さん。俺らと同様"ここ"の出身で、今は幹部候補
俺らを見つけ出し、ここへ連れてきて訓練を受けさせて
今は現場を離れて後輩育成を主に行っているメンツの中の1人
この人よりも長くこの仕事をしてる人はいるけれど
その人たちは既にほぼ幹部、俺らを庇おうにも力がかかって
庇いきれないという意見があるのは容易に察することが出来る
｢俺がしてやれるのは"安楽的処分"、"部隊人員推薦"の2択だ｣
"暫く時間はある、よく考えろ"
その言葉に、俺は小さく返事をすることしか出来なくて
己の無力さを改めて突きつけられた
皇｢…檜山、｣
檜｢責任って、こういうことなんだね｣
"どうすれば守れると思う？皇輝"
病室に響いた声はあまりに頼りなかった
細い糸が揺れるかどうか、と言った程度の声だった
檜｢瑞稀くんも、こうだったのかな｣
皇｢っ檜山！違うって！｣
檜｢どこが違うんだよ！！っつか俺のがタチ悪いだろ！！｣
俺は"あの時"からここにいた、だからああするのは当然だった
でもあの人は…ちょっと前まで普通の世界にいたのに
檜｢俺のせいだよ…｣
皇｢っ……｣
檜｢俺が！、あの人に人殺させたんだよ…っ｣
きっと瑞稀くんは突き出された選択肢から後者を選んだ
…俺は？どうすべきなんだ？
…………てか、俺が、これ以上あの人に関わっていいのか？
不幸に、するだけだろ
皇｢一緒に探そう｣
"Aちゃんを生かす方法、俺も探すから"
背中にそっと置かれた手は暖かかった
でも、その手は…俺には暖かすぎた
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藍兎(プロフ) - 完結お疲れ様です！！毎回ハラハラドキドキして楽しく読ませて頂きました！その後も気になる所ですがこの作品に出会えてとても幸せでした！ (12月13日 3時) (
レス) @page42 id: 97c0ee90cb (このIDを非表示/違反報告)
j(プロフ) - 一気見してしまいました！続きが気になります。。。更新楽しみにしています！ (8月15日 10時) (レス) @page34 id: 4ac568a835 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - 続きがすごく気になります！！更新待ってます‼︎ (2023年3月14日 22時) (レス) @page30 id: 0fdc87e010 (このIDを非表示/違反報告)
りゆ(プロフ) - 更新待ってました！！何回も初めから読み直しています笑。続きも楽しみにしています！！！ (2022年9月2日 20時) (レス) @page21 id: f586278c85 (このIDを非表示/違反報告)
ピンキーレンジャー(プロフ) - 本当に更新めちゃくちゃ待ってました！！！何度1話から物語を読み返していることか…とこのコメントを書いている今も全て読み返した直後です笑続き楽しみにしています！！！！ (2022年6月13日 13時) (レス) @page18 id: 883b5980f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りーべ | 作成日時：2021年11月28日 23時
