Mission.70 ページ20
あまり無駄撃ちしたくない、と言いながら拳銃を仕舞った皆は
ぐるりと部屋を見渡して怪訝な顔をした
安｢なんか…広すぎない？｣
深｢思いました｣
檜｢撃った時反響音聞こえた？｣
湧｢聞こえてない、このビル部屋数も異常だぞ｣
さっき撃ち抜いた敵が息絶えていることを確認しながら湧さんは頭を搔いた
"奥、死ぬほど部屋あるっぽい"
その言葉を聞いて奥に続く廊下を覗くと
おびただしい数のドアと分岐して左右に別れた廊下が視界に入ってきて頭を抱える
何故だだっ広いビルに、大量に部屋を作ったんだろう
異常な部屋数を誂えて何かを隠してる？
じゃあその隠したいものは、なに？
『…っ、幹部がいる場所』
深｢え、？｣
さっき敵が上がってきた階段を勢いよく駆け下りる
降りた先にあった1つの扉に耳を寄せても物音がしなくて
バンッと音を立ててその扉を開けたのに
その部屋は既にもぬけの殻だった
…つまり、この部屋にいたのはさっき殺した奴らだけということになる
深｢何、Aちゃんどしたん｣
『この階段、地下に繋がる階段じゃありません』
安｢え、じゃあ、｣
湧｢…おいおい待ってよ、本物の地下に繋がる階段、こんなくそ広い中から探すの？｣
このビルが異常な広さと部屋数を持っているのは
組織の重要機密が存在する階に簡単に行けないようにするため
そのフロアへ繋がる階段を隠すためだけの、古典的だけど最高に困るカモフラージュ
そのために異常とも思える部屋数と敷地の広さを持ったビルをアジトにしているんだ
檜｢青木、聞こえる？｣
青＜聞こえる、なに？＞
檜｢このビル、次の階に繋がる階段を異常な部屋数で隠してる｣
"新しいドアを開けて、出てくるのが階段か敵か分からない"
インカムに雑音と共に流れた檜山さんの声は硬かった
そりゃそうだ、早く幹部の居場所を突き止めないといけないのに
その場所にたどり着くための階段すら見つからない
立てた計画もどこからか入手した建物の見取り図も
全く当てにならない状態に、突入直後に陥ってしまったのだから
平＜湧、俺、平塚＞
湧｢おう、どした？｣
平＜こっちも複雑な作りになってるけど、今のところ大丈夫＞
湧｢…うん｣
平＜連携とれば、生きて帰れるよ＞
"大丈夫、このチームなら大丈夫"
いつもふわふわと微笑んでいる平塚さんから、初めて聞いた芯の強い声だった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?(プロフ) - 最初から読ませて頂きました！早く続きが気になって仕方ないです汗汗 更新楽しみにしております！！ (2021年10月29日 23時) (
レス) id: 0b81454158 (このIDを非表示/違反報告)
rirariru(プロフ) - 初めまして！次の更新が待ちきれないです！大変だと思いますが、頑張ってください！ (2021年8月13日 1時) (レス) id: 1ce39f514b (このIDを非表示/違反報告)
ふうか - はじめまして！続きが気になってやばいです笑 ハラハラドキドキしながら読ましてもらってます！更新待ってます！ (2021年7月31日 11時) (レス) id: c4a626600f (このIDを非表示/違反報告)
薇々(プロフ) - 更新が待ちきれなく最初から読み返してしまいました笑更新楽しみに待ってます:） (2021年5月30日 22時) (レス) id: 712adf8a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - はじめまして！毎日更新まだかな？！次の展開どうなるんだろうと楽しみにしてます！ (2021年5月28日 1時) (レス) id: a744d204f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りーべ | 作成日時：2020年12月2日 22時
