Innocent sinners (ページ43)

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Mission.43 ページ43

Sota side

"皆に死んで欲しくない"

俺にはそれがよくわからなかった

俺だって仲間には死んで欲しくない、だから全力で援護して、助け合って命を保つ

でも、ついこの間出会って、成り行きで保護して

たった数ヶ月一緒に暮らしただけの子が、俺らに死んで欲しくないって思ってることが

俺にはよくわからなかった

内｢俺らの仕事は、殺し屋だよ｣

『…そんなこと分かってます』

"分かった上で、死んで欲しくないんです"

それまで一言も発さなかったAちゃんの口から

張り詰めていた糸をプツンと切った後のように

はらりと言葉が漏れ出した

『何人も殺してることも、幼い時からこの仕事をしてらっしゃることもわかってます』

湧｢っ、なら｣

『でも私にとっては私を救ってくれた人なんです！絶望する暇を与えないでくれたのは皆さんでしょ！？』

声を荒らげる所を、初めて見たかもしれない

目に涙をいっぱい貯めて唇を噛むAちゃんは

その状態でも泣くまいと拳を強く握った

…俺らはAちゃんから、色々貰いすぎだ

檜｢…わかったから、唇噛むな｣

『っ…』

湧｢手も、そんなに強く握んな、爪くい込むから｣

さっきまで1番、現場にAちゃんが行ったことを

怒ってた2人が眉を下げてAちゃんに触れる

…Aちゃんを1人にしないことを選択してAちゃんを救ったのは湧で

家族を失って絶望の淵に立たされたAちゃんが絶望に落ちないように引き止めたのは

あの晩、泣き声が聞こえた部屋的に、檜山だった

2人はきっと特別Aちゃんを大事に思ってて

だからこそこんなにAちゃんが危険な所に来たことを怒ってるんだろうな

なんて、俺にはまだよく分からないけど

…俺が入る隙なんかないんだなってことは

痛いくらいに伝わった

俺が抱きかけてた気持ちはきっと

"女性として"じゃなくて"お姉ちゃんみたいで"

ってことなんだろうな、って勝手に納得して

心の奥に鍵をかけてから、Aちゃんの頭に触れた