Innocent sinners (ページ18)

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Mission.18 ページ18

それからも変わらず数人が夜家を空ける日々が続いた

女物の香水を染み込ませて帰ってきたり、頑なに私が部屋を出るまでスーツを脱がなかったり

彼らがどんな役割分担で動いているか知らないから適当なことは言えないけど

青木さんと豊田さんが家を空けることはまずなくて

スーツを頑なに脱ごうとしないのはそれ以外の6人

女物の香水を連れて帰ってくるのは湧さん、檜山さん、深田さんの3人

昼間地下にある部屋に長時間籠るのはそれ以外の5人

きっとそこでざっくりと分けられているんだろうな、と勝手に思っていたりする

安｢…あ、Aちゃん起きてたの、ただいま｣

深｢戻りました｣

『おかえりなさい、ご飯温めますね』

ほら今日も

安嶋さんも深田さんも一向にスーツを脱ごうとしない

きっとその下のワイシャツには誰かの血が染みているから、隠すために全てのボタンを閉めている

人を殺める仕事をするのに、そうやって小さな優しさを零していくからずるいと思う

『スーツ、脱いで大丈夫ですよ』

深｢っ、え｣

『あの時は取り乱しましたけど…元々血が苦手な訳では無いので大丈夫です』

安｢…っ｣

『それに、皆さんの仕事は理解してますから』

安｢…ありがとね｣

『…いえ』

深｢ほんとに脱いで平気っすか、？｣

『はい、窮屈でしょうし』

そう告げればゆっくりとスーツのボタンを外す

…うん、平気

安｢ほんとに大丈夫、？｣

『あの時は状況の整理がついてなかっただけなので、本当に今は平気です』

務めて明るい表情でそう返せば、一気に安心したような顔になる2人

いらない心配、かけちゃってたな

深｢ご飯なんすか？｣

『お豆腐がいっぱいあったので麻婆豆腐にしました』

安｢本当にAちゃんが作る料理美味しいからなぁ…ありがと、いただきます！｣

結局血の着いたシャツを着たままなのは心地悪いのか、上裸で椅子に座って

相変わらず子供みたいにガツガツと食べ進めていく

私はきっと知らないだけ

殺し屋の顔した皆を、まだ見ていないだけ