37話 昂り ページ39
范無咎視点
廊下を歩きながら、暇つぶしできることを考える。
今日は試合がなく、するべきことが無いのだ。謝必安は自室で本を読んでいたが、読書する気分にはなれなかった。さて、どう時間を潰そうか……
ホールに行けば、誰かしら居るだろう。話し相手でも探しに行こうか……
そう思いそのまま足をホールへ向けると、中庭でロビーと信徒が遊んでいるのが見える。後ろではAがベンチで二人を見守っていた。
……いや、あれは眺めて楽しんでいるのか？
前にもこんなことがあった気がするが……なぜだか今は見え方が違う気がする。なんだろう、口の奥から何かが這い出ようとする感覚……前とは違う感情。
范無咎「……なんだ、この感覚は」
口から溢れた言葉に返事はない、ある訳が無い。
それなのに……Aがこちらを向き、目があった。
范無咎「…ッ！？」
Aは笑顔を返してきた。
……偶然だ。
今の声量で聞こえていたら、Aはリッスン持ちだ絶対に。しかし頭は混乱しているらしく、無性に顔が熱い。
范無咎「……聞こえているか」
同じ声で呟くが、不思議そうな顔をするだけだった。やはり聞こえてなんかいない。Aは本当に、タイミング悪くこちらを向いただけだ。
俺が得体の知れない感情を、Aに抱いているなんて、聞かれなければ分かるはずない。ほらあいつはまた微笑んで、脳天気なことだ。
……なのに何故、こんなに熱いんだ…！
ナマエ「……黒無常さん！さっきなにか言った？」
范無咎「っ……！！？」
ナマエ「あっごめん、驚いた？」
いつの間にかAは、俺の目の前にある窓を開け、話しかけてきた。
気付かなかったせいで、必要以上に驚いた俺を見てAは申し訳なさそうにする。……ああ駄目だ、今は調子が悪い。
范無咎「……なんでも、ない」
ナマエ「え、そう？なら良いんだけど……言いたいことがあったら、遠慮しなくていいからね！」
Aはそれだけ言ってロビー達の居る方へ戻っていった。今度は遊びに混ざるのだろうか、信徒からボールを受け取って張り切っている。
……何だ、今のは
今まで味わったことのない感覚に、まだ頭がクラクラする。緊張感にも似て……緊張？Aを相手に？今更それは無いだろう
歩きながらあの感情の正体を考えていたら、いつの間にか自室に戻ってしまっていた。
ああもう、本当に調子が狂ってばかりだ……！
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教六(プロフ) - シャーリーンさん» コメントありがとうございます！こんな作品で楽しんでいただけてとっても嬉しいです…！！只今更新頻度が最悪なことになっておりますが、良ければ気が向いたときにでも覗いてください……！ (2023年3月22日 10時) (
レス) id: a8f6fe50f3 (このIDを非表示/違反報告)
シャーリーン(プロフ) - 前作を読んで飛び上がりなから参りましたどうもこんばんにちは(？？？)黒無常ｻｧﾝ落ちﾃﾞｽｶ最高ですか神ですか神でしたね失礼しました(土下座)ヤンデレエマたそ尊いし可愛いしムジョリータパイセンかっけーしかわよいし発狂して良いですかはい我慢します() (2023年3月21日 23時) (レス) @page30 id: 0f01db0546 (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - nonちゃん丸(＾ω＾)さん» コメントありがとうございます！抑えてるけど実はヤンデレ発動してるエマちゃん…良いですよね(早口)前作から見てくれてありがとです！とっても嬉しいです！！ (2021年11月26日 0時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
nonちゃん丸(＾ω＾)(プロフ) - 前作読んでめちゃ好きでこっちも読みはじめました！！エマちゃんの感情が良い………めっちゃ好きです！あばばばばば好き……(*´ω｀*) (2021年11月25日 23時) (レス) @page13 id: 785948bac7 (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - 或芙さん» コメントありがとうございます！読んでもらえてとても嬉しいです！リアルでの生活が落ち着いけば、また更新できると思うので…ゆっくりですが頑張ります…！ (2021年11月16日 18時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：教六 | 作成日時：2021年11月1日 18時
