30話 もしかして ページ32
范無咎視点
試合が終わり謝必安と共に自室へ向かう途中、庭師とレオと…少し離れたところにワールドウォーカーがいた。
二人が話し終わるのを待っているのだろうが、なぜか楽しそうなのが気になり足を止める。他人を待つことがそんなに好きなのか…?
謝必安「…どうしたんですか無咎?」
范無咎「いや…あいつは二人を待っているようだが、やけにニコニコしている」
謝必安「ああ、なるほど…しかしあの方は、突然何を思うか分かりませんからね……」
謝必安はワールドウォーカーを時限爆弾か何かみたいに例える。確かにあいつの行動は読めたことも理解したことも無い。今までなら気にすることも無かっただろう。
だが少し前から悪い印象が消えたせいか、目に止まるようになったのだ。
謝必安「…ウッズさんとレオさんが話し終わったみたいですよ」
謝必安がそう言うので見てみると、庭師はワールドウォーカーの待っている方へ歩いていた。そして廊下に続くドアへ向かうレオ……を見たあいつと目が合った。
范無咎「!……」
謝必安「おや、気付かれてしまいましたね」
そしてすぐに顔を背けた。
謝必安は何とも思わず微笑んでいるが、俺はなんだか良くないことをした気分だった。
顔を背けたこともそうだが、あいつに見ていたと気づかれたことで、何故か少し焦ってしまったのだ。何故そんな感情が湧いたのか全く理解できず、チラリと視線を戻すと……
范無咎「……どういう…」
謝必安「驚いているんでしょうか?」
目を丸くして固まっている……。
またジッと見ていると、今度は困ったようにヘラリ、と笑顔を向けてきた。
謝必安「フフ、困らせてしまったみたいですね。そろそろ行きましょう」
范無咎「あ、ああ……そうだな」
なんだか気まずいまま会釈をして自室へ向かう。
あいつが目に止まることも、気づかれた時の焦りも、釈然としないままだ。
……これはもしかして、あいつに罪悪感でも抱いたのか?
今まで知らずに決めつけていたし、そう感じることも可笑しくはない。それに向こうからしたら、知らないことで嫌われていたのだから。
本当にもしかしたら……ワールドウォーカーと和やかに茶でも飲んでいる未来があるのかもしれないな。
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教六(プロフ) - シャーリーンさん» コメントありがとうございます!こんな作品で楽しんでいただけてとっても嬉しいです…!!只今更新頻度が最悪なことになっておりますが、良ければ気が向いたときにでも覗いてください……! (2023年3月22日 10時) (レス) id: a8f6fe50f3 (このIDを非表示/違反報告)
シャーリーン(プロフ) - 前作を読んで飛び上がりなから参りましたどうもこんばんにちは(???)黒無常サァン落ちデスカ最高ですか神ですか神でしたね失礼しました(土下座)ヤンデレエマたそ尊いし可愛いしムジョリータパイセンかっけーしかわよいし発狂して良いですかはい我慢します() (2023年3月21日 23時) (レス) @page30 id: 0f01db0546 (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - nonちゃん丸(^ω^)さん» コメントありがとうございます!抑えてるけど実はヤンデレ発動してるエマちゃん…良いですよね(早口)前作から見てくれてありがとです!とっても嬉しいです!! (2021年11月26日 0時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
nonちゃん丸(^ω^)(プロフ) - 前作読んでめちゃ好きでこっちも読みはじめました!!エマちゃんの感情が良い………めっちゃ好きです!あばばばばば好き……(*´ω`*) (2021年11月25日 23時) (レス) @page13 id: 785948bac7 (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - 或芙さん» コメントありがとうございます!読んでもらえてとても嬉しいです!リアルでの生活が落ち着いけば、また更新できると思うので…ゆっくりですが頑張ります…! (2021年11月16日 18時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:教六 | 作成日時:2021年11月1日 18時