【第五人格】そんなつもりは無かったなんてⅡ (ページ4)

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46話　ドヤァページ4

范無咎視点

エマ「えへへ、Aちゃんおはようなの！」

ナマエ「うんおはよう！！！」

廊下で立ち話中、庭師がAに後ろから抱きついてきた。
この二人はいつも仲がいいな。俺ももう少し……って、同性の友と比べるのは違うか。
少し羨ましいと思いながら見ていると、庭師が様子を窺うように、一瞬だけこちらを……見た？

ん……？何だ今のは……気のせいか？

エマ「ね、早く食堂に行こうなの。トレイシー達がもう待ってるの！」」

ナマエ「あッ、マジか！？無咎さんごめん、またね！」

范無咎「あぁ、また……」

庭師の視線はあまり気に留めず、素直に手を振る。
すると後ろからAに付いて行きながら、庭師がこちらを向いて……全力でドヤ顔をかましてきた。

范無咎「……は？」

効果音に『ムフ〜』とでも付きそうなほど、見事なドヤ顔煽り。つい呆気に取られ固まってしまうが、一足遅れて変な汗が噴き出す。

これ、は……完全にバレている……！

というか何だあのドヤ顔は。
もしかして『自分の方が仲いいぞ羨ましいだろ』という挑発か？だとしたら否定できないし、とてつもなく悔しい。高みの見物しやがって……！

謝必安「おや無咎、先に向かったんじゃないんですか？」

范無咎「必安……いや、さっきまでAと話していて……」

謝必安「そうなんですか……って、何を話したらそんな表情になるんですか」

謝必安は苦笑いしながら顔を覗き込んでくる。
そりゃあAからコミュ障だと言われ、庭師に盛大な仲良し煽りをされたら、顔をしかめたくもなるだろう。
あぁ、庭師のあの顔を思い出すだけでムカムカしてくる。試合で発散しなければ。

謝必安「……ロリコン問題より、Aさんが鈍感なことが、一番の難関かもしれませんね」

何か察したのか、謝必安は虚無顔でそんなことを言う。
その通り庭師や年齢より、Aに思いを伝えることが難しい。それは自分の心の準備ではなく……まぁ、遠回しな言葉では伝わらない所だ。

范無咎「真っ直ぐな言葉で伝える……しかないか……」

態度でそれとなく伝えられる奴じゃないのは、わかった上で……好きと認めたはずだろう。頑張らなければ。