【第五人格】そんなつもりは無かったなんてⅡ (ページ27)

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69話　熱ページ27

ナマエ「謝必安さんがお水持ってきてくれるから、ここで待っててね」

范無咎「わかった……」

お酒のせいか普段よりフワフワしている無咎さんは、私を見つめながら小さな声で返事をする。
ひょえ〜……顔が良いし可愛いしでなんかもう逆にムカつくかもしれない(？)

范無咎「どうして、そんな遠くにいるんだ」

ナマエ「え！？そ、そんなに遠くないよ？」

范無咎「……もっと、こっちに来てくれ」

寂しそうな声でそう言われて、見つめられたら……断れる訳無いじゃないか！！！
まぁそうは言っても酔っ払い相手&恥ずかしさでジリジリと近づくだけですけどね()
無咎さんは大人しく私を見ていたけれど……しびれを切らしたのか、腰に手を回し引き寄せ、抱きしめてきた。

ナマエ「あ゛っ！？ちょ、無咎さん……」

范無咎「…Aの身体は小さいな。想像したより柔らかくて、冷たい……」

恥ずかしい、の"は"の字も言わせてくれない。
「そりゃ無咎さんと比べたら自分どころか、サバイバーほとんど小さいでしょう！」とも流石に言えない。いや、"想像したより"って何…？
というかこれって新手の拷問ですかねぇ！！？

アルコールと無咎さんのが混ざった匂いで、頭がクラクラしてきた。心臓は再び動き出しそうなほど緊張していて、それが無咎さんに伝わっているかも、なんて考えればまた手に力が入る。

范無咎「ん…A……」

ナマエ「ヒっ……あ……」

突然首筋に顔を埋められ変な声が出てしまった。
生暖かな息がかかり首がくすぐったいのに、背筋に何かがゾクゾクと這う感覚を味わう。こんな変な感覚初めてで視界が歪むけれど、グッとこらえて無咎さんの肩を押す。
この状態はもちろんだが何より、この先を期待している自分に気付き、羞恥心が刺激された。

知りたいけれど怖い……なんて、こんな時勢いに任せられれば楽なのになぁ。

范無咎「Aは、」

無咎さんが優しく手を絡ませてくる。一瞬ピクリと反応してしまったが、すんなりと大きな掌を受け入れた。私の手も無咎さんの手も温いけれど、ほんの少し残っている体温が滲んで広がり、熱を持っていく。

范無咎「……どう思ってるんだ？」

切なそうな声でそう言われ、手に力が入る。
どう、って……
ハクハクと口を動かすが、返事が出来なかった。