65話 鈍感 ページ23
トレイ「ノートン、GO」
ノト「え、なんで僕」
トレイ「ナワーブとエドガーでも可」
アンド「……何をするんだ？僕はいいのか？」
ナマエ「え、何かするの？今から？？」
私とアンドルーを置いてけぼりに、話が進んでいく。
結局ノートンが、まぁ別にいいけど……なんて呟きながら私の横に来た。……ん？私の横に来た？？？
ノト「A」
ナマエ「はいなんでしょ」
ノト「……やっぱ無理だって」
何をするかと思いきや、近くに寄ってきて顔を覗き込まれただけだった。呼ばれたから返事したのに、無理ってなんだおいコラキャンベル()
トレイ「もうちょっと攻めてみてよ」
ノト「え〜、なんか僕の方が恥ずかしくなってきたんだけど……」
ナマエ「さっきからなんの実験をしてるのこれ」
私の言葉は当然のようにスルー。
こんな世の中があっていいんですかね皆さん！？ノートンは構わず私の頬に手を当てて、伏し目がちに口を開く。
ノト「Aは今僕が近くにいて、何か思うことある？」
ナマエ「近いなぁ、と思いました(日記)」
ノト「思考放棄しないでよ僕も頑張ってるんだから」
トレイ「なんでこんなに"何かが違う感"漂うんだろう……まぁこれで良いんだけど……」
ノートンはドッと疲れた様子で元の場所に座りなおす。……結局これなんだったんだ？
トレイシーの方を見るとため息を吐かれ、逆にジト目で見つめられてしまった。
トレイ「たぶん今のノートンは黒無常より近かったけど、緊張しなかった？」
ナマエ「うん、なんか近いなぁとしか思わなかったけど」
トレイ「それは何故でしょーか」
ここまで試したんだから流石に気付きなよ、とお菓子を摘むトレイシー。
ノートンと無咎さんで違うのは何故か？……よく考えると分からなくなってくる。無咎さんの近くにいたことを思い出すと、また顔が熱くなってきてしまった。
無咎さんが私のことを見つめる瞳を、やけに鮮明に思い出せる。優しい視線を向けられていることが気になって、心臓は静かだけど頭の中はうるさくて……
「胸が疼くんだ」
ふと思い出した無咎さんの言葉が、他の音を掻き消す。胸が疼く、今の私にも当てはまることだ。
……待って、もし今浮かんだ考えが、合ってるとしたら
ナマエ「私……無咎さんと、同じってこと？」
トレイ「……ね、じっくり考えれば分かるじゃん」
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作者名：教六 | 作成日時：2023年4月5日 14時
