44話 迷推理 ページ2
ナマエ「あれ、黒無常さんおはよう！」
范無咎「！……おはようA」
ん？なんか……いつもよりフレンドリーだな？
廊下で范無咎を見かけ、挨拶をすると……少し笑いながら返してくれた。しかも名前まで一緒に呼んで。
ナマエ「……また前より自分に慣れてくれたね。なんか仲良くなったみたいで嬉しいよ！」
范無咎「あ、あぁ……まぁこう何度も顔を合わせていたら、慣れもするだろう」
少し照れているのか焦っているのか、そっぽを向いてしまうが返事をしてくれる。
うんうん、何であれ仲良くできるのは嬉しいよね。そう思ってニコニコしていると、范無咎はこちらをチラリと見て、ボソボソ呟いた。
范無咎「……ら、名前を……」
ナマエ「……え？私に言ってる？」
自分に話しているのか独り言か分からない声量で、何を言ってるのか全くわからない。聞き取ろうと思い距離を詰めて耳を傾けると、范無咎はビクッと肩を揺らすが、一つ咳払いをして口を開く。
范無咎「仲がいいなら、名前……を、呼んだり、するんじゃ、ない、のか」
ナマエ「えぇッ……すっごいカタコトｫ……」
何かと思えば言語初心者みたいなカタコトで……ん？これってつまり「名前で呼ぼうよ」ってこと？たぶん合ってるよね？？
ナマエ「回りくどいね！？まぁ……名前で呼べばいいんだよね？」
范無咎「よ、呼んでほしい訳ではないが、仲がいいならそうするんじゃないかと……思ってみただけだ」
何故か言い訳みたいなことを始めたけど……あまり気にせず名前を思い浮かべる。さん付けでいいのかな？
ナマエ「私勿論、お名前知ってますよ范無咎さん！！"無咎さん"とか、呼べばいい？」
范無咎「……ッあぁ、それでいい」
謎に胸を張りドヤ顔で無咎さんと呼ぶと、驚いた表情をしてまた顔を逸らされてしまった。
そんなに私って目障りですかねぇ……とも一瞬思ったが、もしかしてこれは……
ナマエ「無咎さんもしかして、だけど」
范無咎「な、なんだ……？」
無咎さんの顔を見て、確信する。これは間違いないだろう、無咎さんは……
ナマエ「無咎さんって」
范無咎「……ッ、」
ナマエ「……隠れコミュ障でしょ！！」
范無咎「…………は？」
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作者名：教六 | 作成日時：2023年4月5日 14時
