瑞花は落つることなく。 (ページ2)

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一射ページ2

𑁍

「私たち新入生は風舞という－－」

ひくり、と頬が動くのがわかる。同時に、元々高くはないテンションが下がるのも。それもこれも、桐先(・・)高校に進むと思っていた後輩の竹早静弥が体育館のステージで新入生代表として話しているからに他ならない。

竹早がいるということは……

そっと目立たないように視線を新入生に向けると一人、姿勢が良い黒髪の男子を見つけることができた。言わずもがな、鳴宮湊である。

テンション、急降下。富◯急のジェットコースターもびっくりな急降下だよ、これは。

鳴宮から目を離しステージを見ると丁度竹早のスピーチが終わったらしい。拍手を送る生徒達に紛れて私も一応拍手をしておく。
ぼんやりとステージを見る私の頭の中はもし鳴宮たちに見つかった時にどうするか、という今後の身の振り方でいっぱいだった。

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