【雨降る街に独りぼっちの青年】 ページ2
ある夜の事。
皆が寝静まったであろう、シェアハウスから一人の青年らしき人物が出て行った。
青年は寝静まった街を一人でゆっくりと歩いている。
「…静かだな」
青年はそんな言葉を溢し、誰も居ない街をゆっくりと歩く。
ぽつりと青年の周りで水滴が落ちる。
瞬間、ザアアアと青年に水が降ってくる。
__雨が降ってきた。
「…雨?…何も感じないな」
青年は雨にうたれても、足を止めようとはしない。
雨は更に降る。
「…疲れたな」
弱音のような言葉を吐き、足を止める。
空を見上げるように仰ぐ。空は黒い雲に包まれ、とても良い天気とは言えない。
「暇になって、出てきたは良いけど何もする事ないのは変わらないや」
また歩き始める。何も考えず、ただただ歩く。
青年がどういう思いで雨が降る街を歩いているのか…なんて
そんな事、青年にしか分からない。
不意に、腕から血が垂れる。
どこで怪我をしたかは分からないが、ポタポタと腕をつたい、落ちる。
血は雨に馴染み、消えていった。
それでも青年は気付かず、歩いている。
気付くはずがない。
青年は…____のだから。
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作者名:理願 | 作成日時:2023年7月15日 19時