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…唐揚げは必須か
しもんぬ先輩言ってたし……
スーパーに着いて、
籠を持っていつもよりゆっくりに歩いていた
………ただの唐揚げじゃつまらないよなぁ
A「紀章さん、食べたいものは？」
紀章「Aの料理だったら、なんでも」
A「じゃあ、野菜だけ」
紀章「新手な虐めかなぁ？」
A「気のせいですよー」
いっそ、唐揚げを油淋鶏にしてしまおう
キャベツもネギも買ったし、
きっと調味料とかはなんとかなると思うし…
やっぱ、バランスの良い食事を出せたらいいんだけど
資格なんて持ってる訳もなく、
野菜も程々に摂らせないと………
チーズもあった方がいいかな
んー、どうしたものか…
A「あ、ミニトマト…」
紀章「さっきの場所だよね、取ってくる」
A「え、わざわざいいですよ
もう一周すればいい話ですし…」
紀章「手間かかんだろ」
僕を撫でて、
取りに行く紀章さん
″言わなければよかったな″って後悔した
″とりあえず、待ってよう″と思い、
鶏肉を眺める
気軽に食べられた方がいいだろう
…けど、皮と油が少ないところを選ばなきゃ
骨無しの鶏肉を選んでいる最中、
肩に手が乗った
A「＿＿＿＿＿＿＿え」
達央「お買い物？」
A「あ、はい」
なんか、色々と厄日なんでしょうか…
達央「1人？」
A「あ、いや…」
達央「由佳ちゃん、いるの？」
A「由佳じゃなくて…」
渋っていると、一気に目が据わった達先輩
達央「…まさか、紀章さん？」
A「はい…」
達央「仲直りしたのか？」
A「………和解はしました」
そう言えば、"ふーん"と冷たいような感じ
何となくわかる、空気が変わったこと
僕たちのいる場所以外は"時間が止まったのか"
と思えるほど静かと錯覚する
完全に呑まれたペースに足掻くことができない
恐怖の波が襲いかかっては、
濡れるしかなかない
そう考えた刹那、後ろへと引っ張られた
紀章「仕事じゃないの、達央」
目を隠されているから表情はわからないけど、
籠に少し重量が増えた気がするからミニトマトを持ってきたのは確かだ
達央「丁度、生活用品を買いに来たところですよ」
紀章「そっか、じゃあAを虐める必要はないよね」
達央「虐めてないんスけど」
2人とも減らない口で、
尖り始める言葉に"あの…！"と口走った
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作者名：奏人(ﾀｸﾄ) | 作者ホームページ：https://twitter.com/Takuto_Se
作成日時：2019年9月17日 22時
