I、愛、哀2【谷山紀章】 (ページ38)

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梶「＿＿＿＿…当日って"花崎結愛"ちゃんは登壇はしないけど、

MCとして、出るんでしたよね？」

梶先輩のある単語に思わず反応した
それに気付いたのか、一気に視線が移動するのがわかる

"やらかした"

と思った途端、脱力し思い切りテーブルに額をぶつけた

良い音が鳴り、マモ先輩に
"大丈夫！？痛くない！！？！"
とオーバーなリアクションをもらった
…光栄です((

A「いやー、また花崎さんと一緒に仕事ができるなんて…
"光栄だなぁ"って思いまして
そう思ったら、テーブルに頭ぶつけちゃいました」

そう自然に装い、イベントの話をしていく
当の本人は、今の時間は別件が入っているらしく時間をずらして話を聞くらしい
ほぼほぼ同期だが、
"かわいい"で売っている彼女をアニメで欲しがるのは
多分、僕自身が監督をやっていてもそう思えるのだろう
そして、僕はある意味幅広いけど、
普通の配役が多い
…まぁ、つまりはモブとか脇役が多い
いや、仕事をもらえるだけ有難いんだけど

そりゃ、偶には冒険心で監督さんが僕を選んでくれることがある
それで、頑張って熟していると、
気に入ってもらって次の役に抜擢されたりする
あ、いつも感謝してもしきれません((
ありがとうございます((今更感

由佳も今までになく真剣に話を聞いていて、
"珍しい"と思えば、ペンを持っているはずの右手が動き始めたと思いきや、
止まるの繰り返し
そして、台本に数字を書いて囲み、
満足げに口角を上げた
…絶対、計算してたぞ
何かの計算をしてたぞ、絶対
此奴が真剣に話を聞くのはあり得ないか
少しでも感心した僕が馬鹿だった

重要そうな部分を書き込んでいき、
マーカーでの色付けをしたりしていると、
監督の声が止まった
顔を上げると監督が"早い？"と質問してきて、
若干早いものの、流石に先輩たちに迷惑をかける訳にもいかなく、
"全然平気です"と言った
"記憶で補えばいい"としか思ってない
記憶力皆無なのに((
しばらく経って突拍子もなく思い出したりするし、
まぁ、何とかなるだろう精神でいつも乗り切ったりするし大丈夫だろう

その後は、何の滞りもなく打ち合わせが行なわれた
それぞれの意見が飛び交って、
後輩だけど容赦なく意見は言わせてもらった
本番がどうなるかは知らないけど
とりあえず、面倒ごとが起きないことを願おう…
あと、自分の体調が良好だということを願っとこ