I、愛、哀2【谷山紀章】 (ページ13)

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「疑問に思っただけ」

A「なる訳がない

って言ったら、おかしいかな…
個人的な解釈だけど、
僕を好きになる人なんて、本当に変わっているんだよ
……まぁ、この業界には変わっている人が多いんだけどさ
昔も言ったけど、中学校で嫌われ者だったから
友達同士でも線引きをしている訳

あ、お前との線引きはほぼ破線だから無いに等しいけどね

…いつ裏切られてもいいように、そんな親しくしてないんだよ
だから、高校だって馴染めなくて途方に暮れているところを
お前が僕を見つけたんだ
……お前、自分で言うほど消極的じゃないよ？
寧ろ、積極的な方

線引きのおかげとまではいかないけどね、
破線みたいなものだったし…
僕の意見をちゃんと聞いてくれていたし……
どっちって言われると、破線の方だったからさ
多分だけど、ならなかったのは"夢"だと思い続けていたからかな

現実に生きているけど、
やっぱり、夢だと思う訳

………お前だってさ、もし、
蒼井翔太さんに告白されたらどう思う？」

「嘘だって思うよね、嬉しいけど」

A「それと一緒な訳」

自分で破線という線引きをしたけど、
結局は、自分で完結するはずの物語(ﾕﾒ)とした

それが、実線と同じ働きとなっただけのこと

A「さて、公私混同しちゃまずいね！
仕事しますか！！！」

「え、戻んの！？」

"まだ、時間がある"と言いたげな由佳
そんな由佳を黙らせる呪文を唱えた

A「夜、仕事終わったらドライブ行こう
…運転はする」

「夜ご飯は？！」

A「ドライブ先の方に夕方時にやってたパンケーキ屋あったはずだから、
そこに行こう」

「よし、パンケーキの力を見せる時がきた…！」

A「いや、まだ食ってないから」

「2人とも、相変わらず仲が良いね～
感心するよ」

監督さんが声をかけてきた
そろそろ時間なのだろう…
監督の発言に裏は無く、素直にそう思ったのだろう

「何の話してたの？」

「仕事終わったら、パンケーキ兼ドライブに行こうって話です！」

「それは、楽しそうだね～」

「Aの助席に久しぶりに乗れるので、楽しみです！」

「あれ、赤羽ちゃんって運転するんだ」

「A、運転上手いですから」

A「上手くないから」

「絶対上手いでしょ～！
…それより、そろそろ現場に戻ってね
みんな集まり次第始めちゃうから」

「わかりました！」

A「さてさて、いっちょやりますか～」