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第98話*Mizuki Side ページ49

アンコールも終了して、
控え室で各自が休憩に勤しんでいる中、
俺の携帯は突如、鳴り響いた

それに気にせず、皆は互いに話し続けた


水樹「…もしもし_______」


電話の相手は親父だった
きっと、最後の忠告とかだろう…


そう思った瞬間、聞き間違いかと思ってもう一度聞き直せば
どうやらちゃんと聞こえていたらしい


水樹「どういうことだよ」


その一言に、親父は、
"俺もまだまだ現役でいる、跡なんて継がんでいい"と言った

…意味がわからない
放心状態でいる俺に、親父は続けた


《お前たちの演奏を聴いた
…来ているファンたちも、満足して帰って行った
お前の大切な場所だろう?
父親として、息子の心から大切にしている場所を奪うことは
心が退けるのだ
好きな道を歩め、水樹__________》


そう言って切った親父…



いつの間にか皆が俺を見ては、様子を伺っている


水樹「俺…



_______"Fickle"続けられるッ…!!!」


そう言えば、誰もが大騒ぎ_____
と思いきや、Aはただじっと俺を見ていた


親父が来ていたなんて知らなかった
それは、帰宅してから本人に聞いてみよう


A「はい、これを見て」


そう言って目の前に出したのは、先ほどまで書いていた原稿用紙
受け取って中身を見て見れば、

アンコールを今までの練習より遥かに完成度を高くして終え、
暫くしての、水樹の父親からの連絡によって、
水樹は"Fickle"を続けることとなり、
皆で大騒ぎ

と書いてあった


水樹「え…」


まったくその通りで、アンコールもどれもこれもが完成度は練習よりも
断然と上だったし、
実際に親父から連絡もあった
…そして、大騒ぎもした

水樹「何で、お前が書いた台本と同じことになってんの…」


A「これも、魔法」


紀章「え、見せて」


A「だーめ」


Aは紀章さんに盗られる前に、
俺から原稿用紙を奪っては、びりびりに破った


A「"神が作った台本を僕ら人類は、抗えない"…
でも、魔法には神すらも勝てない」


そう言ったAは本当に魔法使いと錯覚してしまう


京香「先輩、凄いですッ…!」


A「何言ってんの
魔法使いは、全人類だよ」









_______________"音楽を奏でる者は全員、ね"

完結となりました(作者より)→←第97話*Mizuki Side



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作者名:奏人(タクト) | 作者ホームページ:https://twitter.com/Takuto_Se  
作成日時:2019年11月20日 22時

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