第87話*Mizuki Side ページ38
翔利「あ、戻ってきた」
水樹「新曲やるってよ、圭介」
圭介「それさっき聞いたわ、ふざけてるよな
急すぎる」
A「別に仮段階だもん、良いじゃん
ちゃんとCDが発売したら、
ちゃんとマッチングした演奏すればいいんだし」
やけにいつも通りの2人に、
安心した俺がいた
A「まぁ、ぶっつけ本番でも、
皆できるっしょ
僕、できること知ってるよ」
圭介「おい、ハードル上げてんな!」
翔利「そうだよ…!
俺、ミスる自信しかないんだけど!?」
A「飯塚さんにギター教えてもらってるのに、
さらにベースでの新曲を覚えることができないなんて、
あり得ないから
飲み込み早いんだから、
自信持てばいいものの」
翔利「……………え?」
A「基本的に、このメンツはのみ込みは早い
でも、お前は自信がなくて、
それで尻込みしているから、身体が強張って動けないんだ
言っとくけど、ここの三人の中でお前が一番のみ込みは早いぞ」
翔利「…あれ、俺褒められた????」
A「うん、褒めた」
翔利「あのAが?」
A「うん、常盤Aが」
達央「え、スゴイ珍しいの?」
京香「あまり、仲間の評価とか全然しない人なので…
普通に私には色々言うのですが」
水樹「じゃあ、俺の良い所は」
A「貫禄があって、指示も的確…
周りを見れるから、状況に応じて自身の演奏も変えられるとこと」
圭介「俺は」
A「全員の音と馴染みやすいから、
"Fickle"が総崩れしないで済んでいる」
圭介「………お前ッ!」
A「気付くの遅すぎなんだよ、馬鹿真面目が」
舌を出して煽るAに対して、
"クッソ〜"と後悔している圭介に、
京香が"何がです?"と純粋に質問をした
圭介「全部が此奴の計算通りだったんだよ…!
俺が戻ってくることも、
全ては此奴の手のひらで転がされてただけだったんだ」
A「重要人物が勝手に舞台から消えることは許さないよ?」
圭介「やっぱり、お前すっごいムカつく奴!!!
くたばれ、このやろー!!!!」
A「馬鹿は馬鹿らしく手のひらの上で台詞でも読んでなよ
台本通りにね」
圭介「本当、此奴嫌い!!!!!」
無残に圭介は嵌められたらしい
響き渡った声に、後に笑い声が沸き起こった
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作者名:奏人(タクト) | 作者ホームページ:https://twitter.com/Takuto_Se
作成日時:2019年11月20日 22時