第51話*Kishow Side ページ2
巻き込まれ事故が発生し、
色々と問題が生まれる中…
翔利「待って、俺トイレ!
トイレ、何処!!!?!」
水樹「ここ出て、左に真っ直ぐ行って________」
水樹が教えれば、
駆け足で廊下を走っていった翔利だったが、
"え、この部屋何!?"と大騒ぎするものだから全員が動けば、
トイレとは全く違う場所を開けていた
水樹「…お前、方向音痴だったな」
翔利「見知らぬ土地はね!」
圭介「…ンだよ、静かにできねぇのか
てめぇは」
翔利「だって、真っ白い部屋」
促されるまま、
中を覗けば、
全体の約90%が真っ白で、
他は写真とか絵画とか色のついているものが飾られていた
誰もが、その部屋に入れば、
なかなかの大きさに色に呆気を取られていれば、
背後では水樹と京香ちゃんが"入ったことない"という話をしていた
翔利「こっちにレコーディング専用の部屋あるんだけど!!!」
"トイレ"ってさっきまで叫んでいた子が、
やけに家の中を冒険している
圭介「少し埃っぽいな」
京香「最近、入った形跡はないですね
色々と埃被ってますし…」
水樹「これって…」
飯塚「あ、懐かしいね」
そう言っては機械を動かし始める2人とは別に、
俺の目に入って来たのは、とある写真
それは、活気にあふれたピアノの椅子に座っている男性と
その男性に無邪気に抱き着いてはヴァイオリンらしき楽器を持っている幼女
手に取ってよく見れば、
この幼女はAちゃんだった
目元も今とは全く違うものの、やはり彼女だ
そう思う
…断定はできないけど
圭介「何見てんスか〜…
って、その写真もなかなかに色褪せてますね」
京香「この子、可愛いですね!」
2人は気付いていないらしい
飯塚「これで鳴るね」
そう言った飯塚さんがスイッチを押せば、
男性の声がスピーカーから出た
その声は、なかなかに高くはないが低くもない
けど、何処か安心のできる声だと俺は思った
最初に放たれた言葉は、彼女の名前で
思わず手元にある写真を見つめ直した
……………声の主は、この男性?
そして、男性は自分のことを"おじいちゃん"と言っているところからすると、
この写真に写っているのはおじいちゃんだ
2人のツーショットだ
何処か、他人事じゃない気がして、
男性の声をただただ自分の中へと聴き入れた
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作者名:奏人(タクト) | 作者ホームページ:https://twitter.com/Takuto_Se
作成日時:2019年11月20日 22時