I、愛、哀【谷山紀章】

▽ ページ48

＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿ ＿


家に帰ってきて、
まだ紀章さんが居ないことを確認してバッグの中から
サンプルの雑誌"Voice Cross"を取り出した

写真に写るのは苦手だが、
綺麗に写真をとってくれた怜音には感謝している


中を見ていくと、
やっぱり"俺たち最強伝説"についても取り上げられていて
"すっごいインタビューの答え方したな"
と反省した


どれもいい写真ばかりで、
また由佳との思い出が増えて嬉しかった


紀章「ただいま〜」


遅れて帰ってきた紀章さん
僕は慌てて雑誌を鞄にしまうも
"雑誌見せて"と言ってきた
"何のことですか？"というと、
"貰ったことは伊月ちゃんから聞いたよ〜"なんて言う


紀章「伊月ちゃんからは軽くしか見せてもらってないから、
ちゃんと見たいんだけど」

何てことしているんだ、アイツは

A「…あまり、じろじろとは見ないでくださいね」


そう言って渡すと、
"やだ"と返ってきた
…元から知っていたことだけど、その返事


雑誌を見る紀章さん
1ページ、1ページじっくりと見ていた
…珈琲でも淹れてあげよう

そう思い、
台所へと足を進めてやかんに水を入れて火を点けた
暫くすると、沸騰した音が鳴り火を止めてドリップをし始める

できあがった珈琲をテーブルの上に置いて、
自分のを作りに行く

今日は、ミルク3の珈琲2の気分…！
冷蔵庫から牛乳を取り出して、
ドリップしておいた珈琲の中に突っ込んだ

猫舌だから、冷たい牛乳を淹れたとしても
この珈琲牛乳が熱いのには変わりないんだけどね

自分のを落とさないように持って、
紀章さんの隣に座って珈琲牛乳を啜った

…熱い


紀章「あ、そうそう」

一旦、雑誌を閉じた紀章さんが珈琲に手をつけて話を切り出した

A「次は何ですか？」


紀章「一週間後くらいにアニメの収録最後で
打ち上げになっちゃったんだけどさ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」

▼*Kishow Side→←▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す