幼馴染みは寂しくなった(弟)02 ページ10
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(弟者くんって女子に人気だったんだ…)
彼が告白されたのは実は今日が初めてではない。
ここ数ヶ月間で彼は何度か他の女子に告白されていて、そして全て断っていた。
(なんで全部断っているんだろう…恋愛に興味ないとか？)
「ごめんA！ 遅くなった」
あれから数日後。
今日は授業後すぐに帰宅して弟者くんと一緒にゲームをする予定だったが、校舎を出る直前に彼は同じ学年の女子に呼び出されてしまい、私は弟者くんが戻ってくるまで門で待っていたのだった。
「全然遅くないよ。てか、もしかして走って来たの？」
彼がはぁはぁと言いながら肩で息をして汗拭っていたので、ここまで走ってきたことがわかる。
「あったりまえだよ！ だって今日は一緒にゲームするって約束してたからな」
それじゃあ帰ろっか、と言って弟者くんは私の隣に並んで歩き始めた。
「ねぇ、さっきの…もしかして告白だった？」
帰り道、私は弟者くんに呼び出されたことについて質問をした。
「ん？ あぁ、まぁな。 でも断ったよ」
予想通り彼はまた告白をされて、そして今回も告白を断ったようだ。
「そ、そっか…弟者くんって最近色んな子に告白されてるよね？ どうして全部断ってるの？ 試しに付き合ってみるのもいいんじゃないかなって思うんだけど…」
彼がいつも告白を断るのが気になった私は質問を深掘りした。
「え？ だって相手のことをよく知らないし…それに…」
「それに？」
「……俺、好きな人…いるんだよね」
「…え？」
弟者くんの衝撃発言に私は思わず言葉が詰まる。
「あっ…そ、そうなんだ！ だから全部断ってたのね！」
(あれ、なんで私……寂しくなってるんだろう)
そういう理由があったんだ、と疑問が解消された一方で、私の中で何故か寂しい気持ちになったのだった。
END.
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作者名：くろいつき | 作成日時：2020年4月15日 0時
