想い≠距離(弟)02 ページ34
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(自分の家なのに凄く緊張する…！)
そして現在に至り、俺は着ていたコートとスーツジャケットを脱いでネクタイを緩める一方、Aさんはキョロキョロと家の中を見渡していて緊張しているように見えた。
｢全然ゆっくりしてもらって構わないから…って、人の家だとそうはいかないよな｣
ましてや男の人の家だし…と言うのは流石にやめた。
｢まぁ初めてお邪魔する家だとやっぱり緊張しちゃうかな｣
｢そうだよな。 でもホント遠慮しなくて大丈夫だから｣
｢うん、ありがと｣
Aさんはにっこりと微笑んだ。
その後俺たちは順番にお風呂に入り、夕飯はデリバリーでピザを頼んで食べることにした。
｢今回の転勤は長期の勤務ではないみたい。 早くて1年…長くても3〜4年でこっちに戻ってこられるみたい｣
｢へぇ、戻ってこられるんだ｣
｢うん。 まぁ今の部署に戻れるかどうかはわからないけどね。 でも、別部署でもいいから同期のいる今の支店に戻れるなら戻りたいかな｣
そう言ってAさんはピザを一口食べると美味しかったのか顔がほころび、それを見た俺も幸せな気持ちになる。
(こんな日が続けばいいのに…)
なんて思いながら夜は段々と更けていく。
｢同じ部屋で寝ることになってごめん｣
｢ううん、全然大丈夫｣
俺の住むマンションは1DKのため、必然的に一緒の部屋で寝ることになる。
俺は自分のベッドの隣にお客様用の敷布団を用意し、彼女にはそこで寝てもらうようにした。
時々泊まりに来る兄者やおついちさんなら全く問題ないが、"異性"かつ"好きな人"と同じ部屋というのは正直心臓が持たない気がする。
｢じゃあ電気消すぞ｣
壁の電気スイッチをオフにすると、部屋は真っ暗になる。
俺はAさんが寝ている敷布団を踏まないように自分のベッドへ移動して布団に潜った。
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作者名：くろいつき | 作成日時：2020年4月15日 0時
