【夢小説】2BRO. 短･中編集 03 (ページ25)

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先生と生徒の夏(兄)04 ページ25

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「それは…まぁ、わかってますけど…好きな人が他の子と一緒にいるのを見るのはやっぱり嫌だなって思うんですよね…」

兄者先生の顔は見ずに私はぼそっと呟いた。

すると先生の手がこちらに伸び、私の頭に手を乗せたかと思ったら髪をわしゃわしゃとした。

「ちょっ…先生！？」

「あーはいはい。お前が俺のことを十分に好きなのはわかったから。それよりももうすぐ戸締りの時間だから早く帰って欲しいんだが…」

「えっ…あ！もうそんな時間！？」

準備室の壁に掛けられている時計を見ると、もうすぐで校舎の戸締り時間。
私は急いで残りのテキストを鞄にしまい鞄を肩にかける。

「先生、ありがとうございました。さようなら！」

「おぅ、気を付けて帰れよ」

私は先生に挨拶をし、準備室を出てすぐに小走りで1階の下駄箱に向かう。

(先生に頭、触られちゃった…)

下駄箱に向かっている途中、私はさっきの出来事で頭がいっぱいになって、思わず自分の片手を頭の上に置いてみる。

「…ふふっ、嬉しい」

夏の夕暮れ時の校舎の中、例え今は実らない恋愛だとしても、私はその喜びを静かにこぼしたのであった。

END.

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