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緑の魔法使い(乙)10 ページ20
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念願の両想い。
普通なら嬉しく思えるはずなのに、今は胸が苦しくなる。
それはきっとおついちさんも同じだ。
「…わかりました。 私、家に帰ります」
これ以上迷惑をかけてはいけない。
そう思った私は、彼の言う通りに帰ることを決めた。
「ごめんね、Aちゃん」
おついちさんはそう言うとゆっくり顔を近づける。
私はそれを受け入れるようにそっと目を閉じ、唇に感じる柔らかく暖かな感触を感じたのであった。
おついちさんとのキスが終わり、私はそっと目を開ける。
するとおついちさんが驚いた表情で私の顔を見詰めていた。
「…Aちゃん、目が…」
そう言いかけた彼は私の腕を優しく掴んで家の中へと入って行く。
腕を掴まれている私は彼に付いて行くしかなく、連れてこられた場所は鏡が置いてある場所。
「鏡見て」
何が何だかわからない私は、ひとまず彼の言う通りに鏡を見ることにした。
「！」
もちろんのことだが、鏡に映っているのは私だった。
だけど信じられないことに、私の瞳の色がおついちさんと同じ緑色になっていたのだ。
「どうして…」
「僕もすぐにはわからない。 でもこのままだとキミまで僕と同じだと街の人に思われてしまう」
「えっ、じゃあ…」
私はどうすれば…。
突然の出来事に思考が止まった私に、おついちさんが口を開いた。
「Aちゃん、僕と一緒に逃げよう」
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作者名：くろいつき | 作成日時：2020年4月15日 0時
