長髪のあの子(弟)01 ページ1
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「Aちゃん！？ 髪、どうしたの！？」
朝っぱらからおついちさんの驚く声が事務所内に響き渡る。
何事かと思って俺と兄者もAちゃんを見ると、俺たちも声にはならなかったが衝撃的だった。
「だんだん暑くなると思ったのでばっさり切りました」
ロングヘアだった彼女はショートヘアになっていた。
「お先ー」
「兄者さんお疲れ様です」
「兄者お疲れー」
19時過ぎ。
今日は予定があると言っておついちさんは先に帰り、兄者もたった今事務所を出て行って、事務所内はAちゃんと俺の2人だけになった。
「Aちゃん、あとどのくらい？」
「もう少しでキリのいいところなので、15分ほどで終わるかと」
「おっけー」
Aちゃんの終わるタイミングを確認し、自分も進められるところまで作業を進めておくことにする。
「…」
俺はショートヘアになったAちゃんをちらっと見る。
(ショートも可愛いな…)
彼女は2BRO.として入社した当初からロングヘアで、髪の長い女性が好みの俺にとって彼女はどストライクだった。
もし付き合ってる人がいなければアタックしていたが、一緒に働き始めてしばらくしてから彼女には付き合ってる男性がいることがわかり、一瞬で俺の恋は終わってしまったのだ。
(最初は失恋でもしたかと思ったけどそうではなさそうだし…あーちくしょー！ あんな可愛い彼女がいるなんて羨ましい！)
そんなことを考えながら作業を進めると、Aちゃんがデスクに座ったまま伸びをするのが視界に入った。
どうやらキリよく終わったようだ。
「Aちゃん終わった？」
「はい。 今終わりました」
「うん、じゃあ途中まで一緒に帰ろっか」
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作者名：くろいつき | 作成日時：2020年4月15日 0時
