xxxxxx (ページ6)

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美術館を離れ、彼の行きつけのカフェに向かう。

小説がたくさん並び、静かな店内。

そして、謎にある小さな個室。

『カフェに個室なんて珍しいね』

ここの個室はいつも彼の席らしい。

「でしょ。小説も好きなの読めるし、静かだし。」

店内のオレンジがかる照明のせいか

彼の少し微笑んだ顔が何十倍も素敵に見えた。

『ねぇ、なんであの絵を私に見せたかったの？』

ずっと気になっていたことを聞いた。

「…いや、好きかなと思って。あぁいうの。」

好きだけど。

「お前さ、花になりたいんだろ？」

「前に私は平凡だから、花にしてくれる人がいいって」

言った。すごい前に。

いつだったかな。

将来と恋愛の話になった時。男友達と恋愛話なんて少し変だけど、

そういう感じのじゃなくて。

物理と科学的な？

その時に、

“私は平凡だからさ。

　もし私の事を好いてくれる人がいるなら、私をその人の花にして欲しい。

　花になりたい。”

って、話をした。

『よく覚えてるね』

「まぁな。だから、この絵を知った時、Aに見せたいと思った。」

下を向いていた彼が顔を上げ、

私の目をしっかりと捉えた。

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