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「よかったなトントン、美味いって」
シャオロンさんが店先に声をかけると「おう、ありがとう！」という元気な声が返ってくる
店内のイートインスペースは結構涼しいが、外に近い場所で焼きそばを炒め続けるトントンさんは大変そうだ。
でもこの焼きそばは確かにめちゃくちゃ美味しい。お客さんが途切れないのも無理はない
「Aちゃんってこの辺住んでんの？」
『あ、普段は関東の方に住んでて、２週間こっちに遊びに来てるんです。
チーノのおばあちゃん家に泊めてもらってて」
「標準語やもんなぁ。俺夏の間はここでバイトしてるから、また遊びにおいでや」
『はいっ！』
客引きとして優秀すぎるその顔で言われたら頷くしかない
それに、
＿＿「俺、結構本気やで？」
あんなこと言われたら、彼も私と同じ気持ちなんじゃないかって
『毎日来ます！』
「まじ？じゃあ毎日会えるな」
男を手玉にとるなんて、そんなことしないしない
私はこの海で真実の愛を見つけたのだ
『いいでしょチーノ！』
「俺毎日海とかいややねんけど」
『だって田舎に来てもすることないじゃん』
「なんで来たんや」
恋しにきたんだよ！とは彼の前で言えない
「…一人でどっかいかんって約束するんやったら、ええで。」
『わかった、じゃあ明日も一緒に来ようね！』
なんだかんだで私のことを優先してくれるチーノは優しい
私たちの交渉を面白そうにみていたシャオロンさんがチーノに声をかけた
「ええんか？敵に塩送るようなことして」
「あんた、この顔で頼まれて断れます？」
「優しいねぇ、幼馴染ってやつは」
私だって鈍いわけじゃない
大学デビューしてから交友関係を深める中で色々学んだのだ
この会話の流れから察するに
もしかして
『ねえ、チーノ』
「なに？」
『チーノってもしかしてさ…
私に構っていたらその子と会えないとか
もしかしたらその子を狙う男が他にいるのかもしれない
そうだとしたら大変申し訳ない
『ごめんね、私別に一人でも大丈夫だから！
ここまでの道とか覚えてるし！
私は応援するよ、チーノの恋！がんばれ！』
「…お前さぁ……。」
呆れた、というかんじで深い深いため息をつくチーノ
私の応援なんていらないって？
いいでしょ、幼馴染なんだから。応援だったらいくらでもしてあげるよ
チーノには幸せになって欲しいからね
「大変そうやな、チーノくん？」
シャオロンさんは笑いすぎで目に涙を浮かべながらそう言った
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桜花(プロフ) - 急にコメントすみません。最初から最後までドキドキしっぱなしで、最後めっちゃ感動しました、、！！控えめに言って最高すぎる作品です、、、出会えてよかったです。最高に素晴らしい作品に出会わせてくれて本当にありがとうございました！！ (2020年10月12日 2時) (
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作者名：レック | 作成日時：2020年8月6日 12時
