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『ひと、りです』
「こんな美人なお姉さんが一人なんて勿体ないわ。ええ店知ってんねんけど、一緒にどう？」
『いいん、ですか！？』
「…おねーさん綺麗やから、特別やで？」
彼が一歩近づくだけで私の心臓はうるさいほど高鳴る
季節なんて関係ないくらいに体温が高まって、釣れない態度とかそんなものは一切思いつかなくなった
『お兄さんも、かっこいい、ですね、！』
勇気を出してやっと言えたのはそんなありきたりな言葉
もっと余裕のあるかんじで言う予定だったそれもこんなに詰まってしまっては本心だとバレてしまう
「そう？ありがとう！綺麗な人に言われたら照れてまうなあ。」
体の前でもたつかせていた手にするりと巻き付いたのは
「おねーさん名前なんて言うん？」
勿論彼の大きな手のひらで
『A、です！』
「Aちゃんね。俺シャオロン！」
きゅっと自然に力が込められて、慣れてるんだろうな、これじゃ私が遊ばれてるじゃないか、なんて
でも、白く日光を反射するビーチがキラキラ輝く光の道に見えるくらいには
初対面の彼と手を繋いで歩く時間はときめきに満ちていた
『その、いいお店って、どんなお店なんですか？』
この田舎にお洒落なレストランでもあるのかな
あ、でも私水着だ。
「ん〜？どんな店やと思う？」
『えっ、わかんないですけど、レストランとか？』
「あー、確かに美味い飯は食えんで。」
『それは楽しみ…！』
「そんなスタイルええのに結構食い気強いねんな」
俺そういう子好きやで、とまた眩しい笑顔
ダイエット頑張ってよかった！！と両手を青い空に突き上げたいのをぐっとこらえる
「…Aちゃん、よかったら連絡先
「A！！」
「シャオロン！！」
やっとまっすぐ見れるようになった檸檬色に覗き込まれたと思えば、雰囲気をぶち壊す怒声
いや、チーノの声は若干悲鳴じみてたな
「A何やその男！手まで繋がれて、安売りしたあかんて！」
「おいこらシャオロン、客引きついでにナンパすんなて何回言うたらわかんねん」
走り回って暑いのか、チーノの半そでパーカーの前は開け放されて細い腹筋が見えている
…こう見るとチーノもいい体してるんだよね、ちょっと細いけど
「聞いとる！？心配したんやで！？」
『元々言ってたでしょ。だからビキニなわけだし』
「やめてやほんま、」
意外なほどに焦ったチーノも気になるけど、それよりトントンさんのさっきの言葉
『客引き、って…』
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桜花(プロフ) - 急にコメントすみません。最初から最後までドキドキしっぱなしで、最後めっちゃ感動しました、、！！控えめに言って最高すぎる作品です、、、出会えてよかったです。最高に素晴らしい作品に出会わせてくれて本当にありがとうございました！！ (2020年10月12日 2時) (
レス) id: 5ecfd5bd4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2020年8月6日 12時
