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「かんぱ〜い！」
ジュージューという美味しそうな音の横で４人コップを合わせる
カルビに塩タン、玉ねぎに焼きおにぎりと、コンロの上に並ぶ食材は様々だ
『シャオロンさん！私忘れてませんよ！』
「ん？」
『あーんしてくれる約束でしたよね！？』
ブフッ、とトントンさんがジュースを吹きかけているが気にしない
私にとっては超重要事項なのだから
「ああ、ええで。どれ食べたい？」
『なんでもいいです！シャオロンさんが選んでください！』
「んじゃこれ。はい、あーん」
あっさりと出された承諾、そしてあっさりと運ばれてくるお肉
ハードル低すぎませんか！？私はこんなにドキドキしてるのに！？
なんて抗議よりも口の中に広がる肉汁と、目の前で「美味しい？」と笑う檸檬に意識がいく
『おいひいです！』
「次どれ食べたい？」
『えっ一口じゃないんですか！？』
「一口でええんやったら終わるけど？」
『ウインナー食べたいです！』
「トントンウインナーちょーだい」
「自分で焼けや」
ここに来てもなお鉄板の前にはトントンさんがいる
今日のシメは勿論焼きそばだ
「A−！俺も忘れてへんで！」
『あ、チーノ。ホタテとサザエありがとね！超美味しそう！』
「おばちゃんが安してくれてん！じゃなくて、俺にもあーんしろや」
『なんで』
「約束やろ！」
『してないよ』
「じゃあホタテとサザエなしな」
『それはズルい！どれ食べたいの？』
「豚トロ！」
「Aウインナー焼けたで」
『やったー！』
「あ〜ん、うそー！」
『あっウインナー！』
「A俺の豚トロ…」
目の前に差し出されたウインナーはシャオロンさんの口の中へ消えていった
その箸先をみて、今更間接キスだと気づいて恥ずかしくなる
＿＿「好きでもない女抱くほど腐ってへんねん。」
だって、期待していい恋なら、話が違ってくる
零した好きはきっと、波音にかき消された
「俺も、…」
彼の言葉は、柔らかい海鳴りが重なって聞こえない
ぎゃいぎゃいと騒ぎながら用意した食材をたいらげていった
シャオロンさんはちょっと意地悪するけどずっと優しくて、
チーノはもう隠すことなくアピールしてくるようになって、
トントンさんは笑いながら焼き奉行をしていた。
海面をオレンジに染める夕日に切なくなっても、彼らが傍にいてくれる
もう少ししかない私の夏を、最後まで楽しみつくすのだ
「A、ちょっとええ？
花火の前に、言っときたいことあんねん」
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桜花(プロフ) - 急にコメントすみません。最初から最後までドキドキしっぱなしで、最後めっちゃ感動しました、、！！控えめに言って最高すぎる作品です、、、出会えてよかったです。最高に素晴らしい作品に出会わせてくれて本当にありがとうございました！！ (2020年10月12日 2時) (
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作者名：レック | 作成日時：2020年8月6日 12時
