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そう言うなら、なんでくじ引きにしたんだチーノ
翌日、昨日より慣れたバイトをこなして片付けが終わった後、チーノが４本の割り箸を取り出した
「肝試しのペア決めましょ！」
「ええ…昼に言うてたやつ？ほんまにやんの？」
ちょっとお疲れ気味のトントンさんが渋い顔をする
え？くじなの？と口にする前に「４人なんで、２−２で分かれるってことで！」と私たちに箸を握らせる
なんでくじにしたのかわからない
「一発勝負な！」と笑う彼の意図が
確実にシャオロンさんとペアにしてくれる策でもあるのか
「なんか、すまんな…」
なかったようだ。
私と同じ赤印の箸を引いたのはよりによってトントンさん
ペアになりたかったシャオロンさんでも、いつも一緒のチーノでもない
海の家のミスター・焼きそば、トントンさん
「なんで野郎と二人で肝試しなんかせなあかんねん！」
「くっそ、引けんかったか…」
向こう二人は明らかに不満がありそうだ
しかし一発勝負で引き直しなどなく、軽くご飯を食べて日が落ちるのを待った
そして懐中電灯を１本ずつ握って立つ山道入り口
『よ、よろしくお願いします…』
「おん…。まあ俺山道慣れとるから、しんどなったら言うて。」
『しんどいというか、腰抜かしたらお願いしますというか』
「ホラー無理なんか。よお参加する気になったな」
『…チーノの口車にのせられて』
しっかりした足取りで、でも私に合わせてゆっくりと進んでいくトントンさん
広い背中がたくましくて頼りになりすぎる
「シャオロンちゃうくてごめんな」
『あ、全然、今はあのトントンさんの安心感がすごいので助かってます』
これでペアがシャオロンさんだったら色んなドキドキで心臓が破裂して死んでたかもしれない
チーノは絶対脅かしてくる
ということはトントンさんがベストアンサーでは
「チーノもくじにしといて引かれへんとこ、持ってへんなぁ」
『誰をです？』
「んー、言わんとくわ」
『え？なんでですか！』
「本人に聞いたらええと思うで」
『ええ…？』
首を傾げていると、道脇からガサガサっと音がした
『ひぇっ！？』
咄嗟に顔をそらして音とは反対に飛びのく
「ひひっ、大丈夫か？」
いたずらっぽく覗き込む赤の瞳が存外近くにあって、慌ててまた飛びのいた
「おお、忙しいやっちゃな」
『す、すみません！』
「この辺野良の動物おるけど、猪とか熊はでんから安心し」
『そういう恐怖ではないんですけど…』
「幽霊なんかもっと出やんで」
『安心しました』
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桜花(プロフ) - 急にコメントすみません。最初から最後までドキドキしっぱなしで、最後めっちゃ感動しました、、！！控えめに言って最高すぎる作品です、、、出会えてよかったです。最高に素晴らしい作品に出会わせてくれて本当にありがとうございました！！ (2020年10月12日 2時) (
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作者名：レック | 作成日時：2020年8月6日 12時
