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『そっか〜迷子になっちゃったか〜』
休憩中のシャオロンさんの代わりに、慣れないながらも客引きをやってみる
チーノの方が上手いんだろうけどな、こういうの
でもシャオロンさんをずっと目で追っていた成果なのか、お客さんの気を引く言葉がするする出てきた
で、ビーチを歩いていたら、一人キョロキョロ周りを見回す小さな男の子の姿が
声をかけると案の定迷子のよう
「ぼく、もうパパとママに会えない…？」
『そんなことないよ！お姉さんが探してあげる！
パパとママの着てた服とか、教えてもらえる？』
「パパはね、ぱんつだけで、ママはね、はだかんぼだった」
『えーーーっと、水着ってことかな？ビキニ？』
「おへそでてた」
『刺激的なママだね…
他に覚えてることある？服の色とか』
「…わかんない。」
『そっかー…じゃあちょっと歩いて探してみよっか』
小さな手がきゅっと私の手を握って、不安げに瞳を揺らす
小麦色の手を握り返して、近場を歩き回った
こんな時だけ、賑わっている隠れ名所ビーチが恨めしい
『あっつー』
「おねえさん、ぼうし…」
『いいよ、かぶってて。もうちょっと頑張れる？』
「うん」
男の子に帽子を貸したせいで、頭が焼けるみたいに熱い
いくら海風がちょっと涼しいからって、ずっと日にあたるのはいただけなかったか
でもずっと不安そうにあたりを見回すこの子を置いていくこともできない
ああでも、さすがにちょっとヤバいかも、
「Aちゃん」
『あ…、シャオロンさん』
「その子の親っぽい子が店探しにきとったで」
『ほんとですか！』
男の子と顔を見合わせて、海の家まで急いでいくと若い夫婦が確かにいた
「パパ！ママ！」と男の子が飛びついて、一件落着。
ほっと胸をなでおろす私の項に、冷たいものが押し当てられた
『つめたっ！』
「ちょいちょい日陰で水分補給しろって言うたやん」
水のボトルを受け取って喉に流せば、自覚以上に渇いていたのを感じる
パタパタうちわで扇いでくれるシャオロンさんにお礼を言うと、「たまたまAちゃんが迷子っぽいの連れてるの見えただけやし」となぜか怒り気味で言われた
「…頑張っとったな、親探し」
『ちょっとは見直してくれましたか？未成年でも』
「…まあ、ちょっとだけ？」
『…え、？』
「ちょっとやぞ！ほーーんまにちょっと！」
そう言い捨てて、彼はビーチに向かっていく
客引き交代の時間だ
「…あとひと踏ん張り、がんばろか。A。」
『…！！、はいっっっ！！』
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桜花(プロフ) - 急にコメントすみません。最初から最後までドキドキしっぱなしで、最後めっちゃ感動しました、、！！控えめに言って最高すぎる作品です、、、出会えてよかったです。最高に素晴らしい作品に出会わせてくれて本当にありがとうございました！！ (2020年10月12日 2時) (
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作者名：レック | 作成日時：2020年8月6日 12時
