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微量の居心地悪さを吹き飛ばすみたいにニッカリ笑って額の汗をぬぐう
その一挙一動に視線を向けた
「…見すぎちゃう？」
『すみません！』
「いや、ええけどな。」
檸檬色が細まって、上から振ってくる
覗き込むみたいに顔を近づけたシャオロンさんはいたずらっぽく、ちょっと小さな声で言った
「てかAちゃん、ずっと俺の事見とったやろ」
『…はい。』
「認めるんや、素直やな。」
まあ俺も、ずっとAちゃんのこと見とってんけど
耳元で囁いて離れていく唇が今すぐ欲しくなった
それと同時に体を襲う夏由来ではない熱さ
その熱さは頬にくっついた青緑の冷たさによっていっそう際立つ
「ほら、日陰で砂遊びしてるお二人さんに差し入れやで」
「…ラムネやん！なつかし！」
顔を冷やしたラムネ瓶はたくさん汗をかいていた
横でぷしゅ、と音がして、チーノの瓶から透き通った泡が流れていく
「うっめ〜！！シャオロンさんあざっす！」
「おう、お前俺の舎弟な。」
「ラムネ代たっか！」
さっきまでの声も表情も嘘みたいに、馴れ馴れしくシャオロンさんと話すチーノ
さっきのは、なんだったんだろ
「Aちゃんのまへんの？」
『あ！いただきます！』
閉じ込められたビー玉を上手く転がして、台座に収める
「ラムネ飲む名人やん！俺それ全然できひんねん！」
『昔チーノの家に遊びに行ったときよく飲んでたんです！』
「昔はヘタクソやったのにな〜！A！」
「へーそうなんや。」
爽快さを飲み込んでふと気づく
瓶の中でビー玉が小さく音を鳴らした
『シャオロンさん、仕事は…？』
「これ以上客呼んだらトントンが足りひんくなるからな、きゅーけい。」
確かにお店の前には長蛇の列ができていて、この天気この気温でも焼きそばが大人気のようだ
「俺店手伝いに戻るけど、閉店の後一緒に賄い食わへん？」
『焼きそばですか？』
「そらそうやん」
「…A、ばあちゃん多分ご飯作っとると思うで」
『ん〜、でも、ちょっとだけなら…』
「ええやん、一杯ぐらい」
なあ？
シャオロンさんが一歩こちらに寄る
ふわっと香るシトラスの匂いがその近さを主張した
「シャオロンさん、俺ら未成年やで」
「え…？」
海風が鮮やかな柑橘の匂いを吹き飛ばす
風がおさまった時には、私と彼の間に一歩分の隙間が空いていた
「Aちゃんって、何歳なん？」
『１９、ですけど…』
初めてみた、彼の苦笑い
「あー…そっか、未成年かぁ…」
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桜花(プロフ) - 急にコメントすみません。最初から最後までドキドキしっぱなしで、最後めっちゃ感動しました、、！！控えめに言って最高すぎる作品です、、、出会えてよかったです。最高に素晴らしい作品に出会わせてくれて本当にありがとうございました！！ (2020年10月12日 2時) (
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作者名：レック | 作成日時：2020年8月6日 12時
