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｢ああ｣
グルッペンさんは短く答えて立ち上がる
それを合図に会議室は静まった
｢この数十年で戦争は大きく変わった。戦場は陸から海へ、海から空へ、兵器も乗り物も凄まじスピードで進化を遂げている。そんな中、情報というのは大きな武力となり、知恵となる。ロボロも充分優秀ではあるが情報管理で他に余裕はないだろうし、ロボロを凌ぐ腕のハッカーなら申し分ない。よって、Aを正式に我が軍に幹部として迎え入れようと思う。異論は？｣
グルッペンさんの言うことはもっともだ。敵の戦闘機の空域編成をハッキングで知れたのならどれだけ楽だろう、といくらでも情報は役に立つ。それをわかっているから不満そうな面々も文句は言わないのだろう
ただ
｢あんたのことは教えてくれないんすか｣
信用するかどうかは別問題
そもそもうちの情報をハッキングしてきてるわけやし、どこから来て、誰に雇われていたのかも知らない
『何が知りたいんです？』
｢出身とか、経歴とか？｣
トントンさんの問いに、彼女は淡々と答えた
『出身は東方の国です。経歴…、叔父が所謂裏社会の人間で、両親が死んでからは叔父にハッカーとして育てられました。そのまま組織で働いて、今に至ります』
｢両親が死んだ…？何歳の時？｣
『10歳あたりだったと思います。学校には通っていませんでしたが』
その後も皆それぞれ質問を重ねていった
その全てに端的に答え、一切表情を変えない
その様子と生い立ちを聞いてわかったのは、彼女の中身だ。あまりにも、空っぽ。友達という友達もおらず、娯楽と仕事が一体となってそれ以外をしていない。かと言って絶望しているわけでも幸せなわけでもなさそうだった
｢へぇ、Aって頭ええんやなぁ！｣
警戒を滲ませていたコネシマさんが顔を綻ばせている
信用じゃない、多分、同情
あまり見ない先輩の1面にため息をつきそうになる
…あんま、昔の自分と重ねん方がええと思いますよ
『総統』
一通り質問に答え終えたA、さんがグルッペンさんに詰め寄った
咄嗟に立ち上がって警戒するが、グルッペンさんがそれを手で制する
『私は、自分にとって快適で保証された環境を捨ててここに来ました』
マフィアに軟禁状態で働かされてたんが快適というこの女は歪んでる
『約束、守ってくださいね。絶対』
背の低い彼女はグルッペンさんを見上げる形になるのに、むしろ強く感じるその気迫
その狂気を、美しいと感じる自分がいた
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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
