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明け方、遠征から帰還した
朝日は雲に遮られて見えないが、段々空が明るくなってくる

「今日はお前ら、よう休めよ!」
「ハッ!!」

一緒に帰ってきた部下と別れ、自分も部屋へ向かう
グルッペン達に報告行かなあかんけど、まだ寝てるやろし。昼過ぎまで寝よかなぁ
部屋の扉を開けようとした時、手元ではない所からギイっと開く音がした
誰やこんな早うに、トントンか?

「あ、おはよう」
『…おはようございます。陸軍総監』

使われていなかった部屋から出てきた彼女は相変わらずフードを被っている
あ、部屋にネームプレートついてるわ
俺がおらん間にそこ来たんか

「どしたんこんな早うに」
『…陸軍総監こそ、どうされたんですか』

グレーの瞳が黒のフードに遮られる
それは彼女が俯いた証拠で

「俺は遠征帰りやで。…なぁ、Aちゃん!ちょっと俺と散歩行かん?」
『は?』

彼女の腕をとり、強引に連れ出した
目指すは近くの森

「いやぁ嬉しいわ!Aちゃんと二人きりになれるとか!」
『…どこへ?』
「デート!」

それ以降無言でついてくる
満更でもないんか、と慢心していると森に着いた瞬間腕を振り払われた

「え、酷いわ。ずっとくっついときたかったのに」
『どういうつもりですか』
「なにが?」
『私を疑うなら、もう少しわかりやすいやり方でお願いします』

いつの間にか、俺と彼女の間には距離が開いている
木々の中に佇むその姿、森に馴染まない色合いにも関わらず、注視しなければ見失いそうな存在感
気配が薄くなったということは、彼女が戦闘モードであることだと本能的に理解する

「なんでそんな警戒するん?」
『警戒しているのはあなたでしょう』

目を閉じた
表情筋から力を抜く

次の瞬間には、拳銃をホルスターから引き抜き構える俺と、2本の短剣を握りフードを脱いだ彼女の姿

よく見えるようになった灰の瞳から視線を外さず口角を上げる

「なぁんや、バレとったんか」
『こんなところに連れてきて、どういったご要件で?』
「仲良なったら何か喋ってくれんちゃうかなーと思ってな?お前、男に免疫なさそうやし」
『あなたの期待するようなことは何も。私は組織の回し者でも他国の観光客でもありません。それと、確かに免疫はないかもしれませんが、そもそもあなたに興味がありません』

カッチーン
この女、俺の地雷踏み抜きよった

「あ゛?調子乗んなよ、ゾムに負けたくそ雑魚が」
『…試してみますか?陸軍総監の肩書きに傷がつくかもしれませんが』

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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃすきです!!いやもうこの小説に出たいくらい!!!(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう!ほんとすきです!これからも頑張ってください!!!! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レック | 作成日時:2019年11月4日 18時

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