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私の問に対して彼は、何と答えるべきか迷っているようだった

なってくれれば楽なのに
私はハッキングだけをして、あとは全て彼に任せられるのに
ロボロさんを心配したあの気持ちも、コネシマさん達に心配をかけたであろう申し訳なさも、総統や空軍総監の唇に感じた羞恥も、全部、考えなくて済むのに

「違うな」

彼は、首を縦には振ってくれなかった

「俺は“お前”が欲しいんだ。お前が心の底から、俺に屈服し愛を乞う姿が見たい」
『…そんな日が来るとは思えませんが』
「さぁな。これからもっと、俺がお前の器を満たしてやるさ」

自信を感じる言葉と、プライドを固形化したように輝く紅の瞳
今更ながら、面倒くさいところに来てしまったと思う

「しばらく仕事は禁止だ。負傷した肩が治るまで」
『そんなっ…!!』
「これがお前に1番堪えるだろう。銃弾を撃ち込まれるよりもな」

ニヤリと弧を描く形のいい唇を今すぐ喰いちぎってやろうかと思った

「俺の一言で苦しむことになると頭に刻んでおけ」
『この国では、仲間を救うことが罰に値するのですか?』
「この国では情報官を戦線に投入したりせんのでな」
『っ…チッ』

以前総統に言った言葉を、いいように使われた
自分の方が1枚上手であると、勝ち誇った笑みを浮かべる目の前の男


『1つ、疑問だったのですが。なぜ、あんなに早くロボロさんのいる場所がわかったんです?』

私は何も情報を残して行かなかった
ロボロさんのインカムが途切れる寸前の会話も、監視カメラの映像も知らない彼らが何故ああも早く到着したのかわからない

「ロボロのいる場所はわからなかったぞ。お前のいる場所に向かわせただけだ」
『…は?』
「チーノに聞かなかったか?Aのインカムは“特注”だと」
『…何も』
「お前のインカムには位置情報発信装置が内蔵されている。それを使った」


「いやぁ、Aは実によく働いてくれた。潜伏者を中で暴れさせて時間を稼ぐ、だったか?ショッピから聞いたぞ。まさにその通りにいった。俺たちは気が合うな」

目を細め、私のベッドに腰掛ける総統
頭を撫でる手にゾッとした
総統は気付いていたのだ。ロボロさんと私が音信不通になった時点で。私が無意識に、そう動くことを。そして外から援軍を寄こした

単独行動を見越したインカム
私のシナリオに当てはめた指揮

どこまでが、彼の手の平の上なのか

いつかこの男に本当の意味で屈することになるなら、それは、そう遠い未来の話ではないのかもしれない

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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃすきです!!いやもうこの小説に出たいくらい!!!(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう!ほんとすきです!これからも頑張ってください!!!! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レック | 作成日時:2019年11月4日 18時

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