23 ページ23
｢あれ？グルッペンなんで不貞腐れてんの？｣
｢…トン氏にお菓子とられた｣
｢子どもか！！！部屋に隠しとんのが悪いんや！｣
｢あら〜もうバレたんや｣
｢オスマン知ってたんかい！｣
｢めう〜｣
｢だいたいなんでAは隠し場所知ってんねん…｣
｢それは俺も知らん｣
トントンからさっき総統室であったことを聞いた
女の子いじめちゃあかんわグルッペン
それにしても、ねぇ？
彼女が来てまだ1週間も経ってないのに、今この食堂はAちゃんの話題で持ち切りだ
当の本人は朝食で注目を集めたのが嫌だったのか、お昼ご飯は要らないと仕事部屋に篭ってしまったらしい。昨日の夜中、ゾムと渡り合った話はもう一般兵にまで伝わっている。そもそも彼女の存在がほぼ知られてなかったというのに。
｢えーAそんなすごかったんか！？見たかったわー！｣
｢またやるなら他の場所にしてほしい...動物たちが今朝もずっとソワソワしてたんだよね｣
｢Aさん、そんなこと一言も言ってなかったのに...｣
｢わかってないなぁエミさん。秘密のある女の方が魅力的やねんで？｣
｢あんたは美人やったら誰でもいいんでしょ！｣
｢Aちゃんほんま美人よなぁ｣
そこかしこから聞こえてくる彼女の名前
その毒にもう半数はやられてしまったようだ
まず筆頭はグルッペン
来た時はハッキングにもっとのめり込ませるつもりやったんやろうけど、手に入らないAちゃんに人間としての興味を持ったようだ。
元来支配欲の強いグルッペンは、Aちゃんを“創る”つもりだろうか。あの空っぽの彼女を、自分好みに、自分のものとして。
そしてゾム
Aちゃんが城に来たときからはしゃいでて、今朝もすごい楽しそうやった。
ゾム曰く、彼女は“同種”なのだという。今も食堂にAちゃんが来ないと知るや、ぷりぷり怒りながら捕獲に向かった。
ただゾムの興味はグルッペンとはまた別。
コネシマは、多分昔の自分と重ねてて、面倒みたらなあかんとか可愛い妹とかそんなかんじ。
あいつが多分1番まともにAちゃんの中身を育てれると思う
本人は思っとらんやろうけど
大先生はなぁ、わかりにくいんやけど、いつもと違う気がする
意外なんはトントン
自分で思ってるよりAちゃんを気にかけてて、しかもその気にかけ方が“マトモ”じゃない
これもまた、本人気付いてないんが難儀やなぁ
俺？俺は見てるだけやで
それぞれの愛のカタチみたいなんを
楽しみやろ、彼女が誰色に染まるのか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 704人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
