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今夜は満月、たまには月でも眺めながら一服しようかと外に出た
すると頭上から、金属がぶつかり合う音と特徴的な笑い声が降ってくる
なんや、こんな夜中に内ゲバか
そう思い城壁を見上げて、タバコがぽとりと指から抜け落ちた
足元では火をつけたばかりの好物が燃え縮んでいっている、しかし今はそんなことはどうでもいい
僕の目は、大きな月をバックに躍る2人に釘付けやった
｢あれ、Aちゃんか…？｣
何度かセキュリティルームを訪れて声をかけても、無表情で素っ気ない受け答えしかしなかった女の子
その彼女は今、視界の中で活き活きと躍動している
放つのは凍てつくような殺気
纏うのは月も嫉妬する美しさ
狭い足場で、ゾムとAちゃんは得物を交えている
次々と繰り出される動きはどれも一撃必殺の急所狙い
2人の刃物はその舞台を彩る照明のように、夜空を反射して輝いた
なんで、Aちゃんがゾムさんと？
いや、そもそもなぜハッカーの彼女があんな動きをしているのか
その時、2日前にゾムさんが呟いていた言葉が蘇った
＿＿｢アイツのおかげで、しばらく退屈しなさそうやわ｣
コネシマが彼女をすんなり受け入れたのも意外やったのに、ゾムさんもご執心の女の子
ただでさえ美人に弱い僕が、興味を持たないわけなどなくて
｢ああ、だからパーカーの袖に剣なんか仕込んどったんか｣
初日、彼女から荷物を預かった一瞬で感じた不自然な重み
その謎がようやく解けた
｢Aちゃんも、こっち側の人やったんやね｣
血なまぐさい軍に美しい花がいるのは似合わない
ただ、その花も既に血に塗れているなら大歓迎
でも、ゾムさん寄りかぁ…
死と紙一重の攻防を繰り広げる両者の顔には狂気じみた笑顔が広がっている
彼女に、ハッキング以外のお楽しみがあったなんて、そしてその1面を、ゾムさんが引き出してるなんて
胸の奥がジリリと焼けて、黒い感情がどっぷり広がった
月光に銀糸がふわりと滲んで、灰の光は残像を残して瞬く
その光景の美しさに毒されながら死んでいくのも、悪くないと思えた
Aちゃんに殺されたヤツらにまで、妬いてまいそうやわ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
作者です
たくさんの評価・お気に入りありがとうございます。
コメントにも全て目を通しております。大変嬉しいお言葉で調子に乗って更新しております。ただ基本は、更新の早さ・スパンにムラがあることをご了承ください。
これからも狂愛方程式をよろしくお願い致します。
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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
