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「面白いから見とったけど、飯にも来やんし。なぁ、ちょっと食後の運動に付き合ってや」

そう言って、俺はいつものサバイバルナイフを取り出す
口には挑発するような笑みを浮かべて

『…私が勝てるわけないでしょ』
「よー言うわ。んーでもそやな、乗り気やないんやったら、賭けでもするか?」

賭けの内容を聞いたコイツは、一際大きいため息をついて了承の返事をした



選んだ場所は城壁の上

「範囲はこの上と、屋根の上な。下は他の奴らに見つかるから」
『ここでも十分目立つと思うんですが』
「さっさと終わらしたら目立たんで?」

ヒヒッと笑うと何も言わなくなった
無言で着いてきたロボロの方を一瞥し、諦めたように目を閉じる

この城に来た時から、コイツの気配はわざとらしかった
その事に気付いたのは最初会議室に案内した時
もしかしたらコイツは俺と同じ側の人間で、楽しませてくれるかもしれない。そう思うと笑いが止まらんかった。
昨日の夜、コイツが森に行こうとしとって声掛けたら帰ってった時、そのまま泳がして森で出会った方が遊べたかもな、て後悔してん
まあでも昨日の様子からして運動不足やから、今日の誘いには乗ってくれると思っとった


目が開かれる、もう覚悟を決めたようだ
両腕を振ると、いつものダボパーカーの袖がフルリと揺れる
次の瞬間、その両手には15センチ程の短剣が握られていた
バサりと落ちるフード
その姿に、俺は聞き覚えがある
これはアタリや

「なるほど、双月剣の白狼か」
『…よくその名をご存知で』

目の前にいるのは、裏では名の知れた殺し屋だ
どっかの組織の小飼や思とったけど、マフィアやったんか

「ますます楽しなってきたなぁ!あの有名な殺し屋さんと殺り合えるとは光栄ですわぁ!」
『訂正しておきますが、私は殺し屋と名乗ったことはありません。その2つ名もね』

その言葉が終わるや否や、ゾッとする程の殺気に襲われる
久しぶりの高揚感にナイフが疼いた


双月剣の白狼
そう呼ばれるのがわかる
俺のナイフと違い両刃であるそれを両手で器用に操りながら闘う姿
満月に照らされて輝く髪は白のような銀。昼間の輝きとは違う色
日頃その髪を隠し、短剣を腕に潜ませるためのパーカーは残像を残して揺れる
常人なら目で追うことも難しい素早さから繰り出される暗器は、貪欲に肉をえぐり取ろうとする
月夜に現れる白狼とは、よく言ったものだと思った

この鋭さ、速さ、しなやかさ、そして殺気

やっぱ、俺と同じ側やん

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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃすきです!!いやもうこの小説に出たいくらい!!!(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう!ほんとすきです!これからも頑張ってください!!!! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レック | 作成日時:2019年11月4日 18時

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