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「ここがセキュリティルームや!」

扉を開け放ち、デスクに直進する
彼女が来る直前まで奮闘していたモニターを指して、聞き、た、かっ、てんけど…

「…あ、あ、ご、めぇぇぇぇぇん!!!!」

慌てて3歩後退りした
右手には、柔らかですべすべな感触が残っている
え、待って、俺、ここまで手繋いできた?
いや繋いでっていうか、引っ張って…?
え?このめっちゃ美人な女の子の手?

………

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
『あの、いい加減うるさいんですが…』
「あ、ごめん。いやほんま、あの、ごめんなさい」

1人で狼狽えて何度も頭を下げる俺を、彼女は怪訝そうな表情で見つめる

『この部屋が私の仕事場ですか?』
「君のっていうか、俺のっていうか…あれ?」

あれ?もしかして、

「俺ら、の、仕事場、かな…?」

待って、俺これからこんな子と2人で仕事しなあかんの

『なるほど。ちょっと拝見しますね』

俺がさらに顔の温度を上昇させる傍ら、フードを被った横顔がモニターに向き直る
カタカタとキーボードを操作する度、その顔に映る笑みは深くなっていった

『すごい…!さすが国の中枢、ハードのスペックが根本的に違う…!処理速度も段違いに速いし、私、これ使っていいんだ…!うわ、神ゲー…!!』

幹部に囲まれても表情1つ変えなかった子が、今目の前で瞳をキラキラと輝かせ食い入るようにモニターを見つめている
その目は無邪気で、幼い子供が新しいオモチャを買ってもらったかのよう

2人きりとか、ハッキングがとか、頭がパンパンやったのに一気に拍子抜けした

「はぁ…」
『あ…、すみません勝手に盛り上がっちゃって。ウイルスですよね』
「いやまあ、全然ええねんけど…。ウイルス君のやろ?復元したいんやけど、どうにかしてくれへん?」
『あー…』

目を逸らし、パーカーの袖をぐにぐにといじる
この数分で信じられないくらいたくさんの表情を見た

「まさか…」
『いえ!戻せます!戻せるんですけど、その…、』

復元とか、ちまちました作業が嫌いというか苦手というか…


そう、苦笑いする頭を思わずぺしっと叩いた

「仕事や!そもそも誰のせいでそのちまちました難解な作業を俺が死にそうになりながらしてたと思ってんねん!!」
『…はい、やります』


グルッペンに突っかかった気迫はどこへやら
俺の目の前にいるのは、遊んだオモチャを散らかしっぱなしにして怒られてるような子どもみたいで

「俺も手伝うから、がんばろ」

さっき叩いた頭を、そっと撫でた

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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃすきです!!いやもうこの小説に出たいくらい!!!(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう!ほんとすきです!これからも頑張ってください!!!! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レック | 作成日時:2019年11月4日 18時

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