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時間が止まってほしい、とか
もっとロマンチックな状況で思いたかったなぁ
カーテンを閉め忘れた窓から日が差し、外からは微かに笑い声が聞こえてくる
机から体を起こし伸びをした
凝り固まった体はバキバキと音をならし、満足に眠れなかった不満を表す
｢まだ二徹目やったのに。歳かなぁ｣
ボソリと呟く声は掠れていた
窓を開け、笑い声を見下ろしながら目を覚ます
下ではひとらんとAちゃんがあれかこれかと野菜を選び収穫していた
そういや今日はAちゃんが朝飯作ってくれるんやっけ
『あっ、トントンさん』
｢この時間に書記長室ってことは、徹夜？｣
2人に挨拶の意味を込めて手を振り、窓から顔を引っ込める
これ以上見ていると泣いてしまいそうだった
朝日の中で微笑み野菜を美味しそうだと言う彼女を自分たちのせいで戦争に巻き込もうとしている。あの笑顔が悲しみに歪むのがやるせない、もう少し、あの幸せな時間が続きますように。
普段なんだかんだと戦争前はワクワクしている俺が、叶うことの無い願いを持ったのは、やはり歳のせいかもしれない。
自室でシャワーを浴び着替えてから食堂に行くと、まだ早いにも関わらずひとらん、ゾム、しんぺい以外の姿があった
｢おうトントン！！おっそいぞお前！！｣
｢うるっさ…お前らが早いだけじゃい｣
ソワソワと浮き足立つ連中を横目に、自分もまだかな…と思いつつ待っていると白いのが2人入ってくる
｢おはよう。皆早ない？｣
｢全員集合してるじゃん｣
あくびを噛み殺しながら言うペ神、しかし俺はひとらんの言葉が引っかかった
｢ひとらん、まだゾム来てへんで｣
｢ああ、あいつは…キッチンにいるから｣
苦笑いで答えたひとらんはこうなることをわかっていたんだろう
周りの椅子がガタガタっと引かれ、血気盛んなやつらが立ち上がった
｢はぁぁ！？アイツ何抜け駆けしとんねん！！｣
｢俺ちょっと行ってきますね｣
｢させへんでショッピ君！！俺が行ってくる！！｣
｢まあお前ら、行ってもやることないやろ｣
｢なんだオスマン、ゾムにつくのか｣
｢実際、ゾム手伝ってたよ？｣
ひとらんの口添えで、血気盛ん且つ料理出来ない組が黙る。俺らん中でまともにできんの、ゾムとひとらんぐらいちゃう？
｢…でも！僕も味見であーんとかしてほしい！！｣
誰もそんなことしとる言うてへんやろ
戦争前でもうるさいのはいつものこと
でもお互い、彼女の為にいつも通り振舞おうとしているのはわかっていた
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まち(プロフ) - 初めまして、1話したのかと目から読ませていただき、完結までお疲れ様でした。とても素敵な作品に出逢えたこと、心から嬉しく思います。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年7月30日 3時) (
レス) id: 9b1209b0b8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こんにちは！あまりの面白さに思わず一気読みしてしまうほどでした!!!!!!!こんなに幸せで素敵なお話を読めてとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月11日 14時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
カラ - とても面白かったです。久しぶりに夢中になって読みました。素敵な作品をありがとうございます！ (2020年2月5日 20時) (レス) id: 4407d2bed4 (このIDを非表示/違反報告)
1 - あれ？HappyENDって、こんなに泣けるもんだったっけ？ って、半泣きで最後まで読ませて頂きました。とても良い作品でした。 (2020年1月11日 17時) (レス) id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
レック(プロフ) - すみれいんさん» 度々感想の方お聞かせ頂きありがとうございます！何度も楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。先の展開を知らないと気付かない伏線もたくさんはっておりますので、是非また、新しい笑顔をお見せいただけたらなぁと思います。 (2020年1月9日 9時) (レス) id: a402dc079e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年9月13日 0時
