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あいつらは悪くない
あいつらのせいじゃない
Aちゃんは大丈夫
何度言い聞かせても押し寄せる恐怖に似た何か
八つ当たりだとは思いつつ、グルッペンの胸ぐらを掴んで怒った後、ゾムから伝えられた伝言
「Aが、ごめんなさい、やって」
その謝罪の内容は、昔自分のせいで死んだ彼とどこか似ていた
最も避けたかった、Aちゃんの手を汚す行為
姉の姿をした人間の頭を撃ち抜く彼女はどんな気持ちだったのだろうか
もしそこに罪悪感があったのならば、彼女は彼と同じ道を辿る気がする
そうなればもう、自分を許せそうに無かった
｢大先生には、遊撃を頼みたい｣
｢勿論、そのつもりやで｣
戦線を構成するにあたって行われる部隊配置
出撃前はエーミールとの狙撃支援だった予定は、ショッピ君の離脱という予定外によって変更された
電撃戦では効率よくダメージを与える必要がある。遊撃で効果的に動ければ、理想的な時間でこの戦争は終焉を迎えるだろう。何より、今は、敵の息遣いが途絶える音を聞きたかった。狙撃では遠すぎる。
｢おい！敵の幹部だ！狙え！｣
｢増援をこちらにまわ、ぐぁっ！？｣
｢うっさいねんボケ｣
軍の精強さと戦略の秀逸さ
その両方で敵に勝るうちはどんどん都市を落とし、領土を侵略した
そろそろ敵の首都へ迫ろうかという日の前夜、野営地にて
腕に包帯を巻いていた
大した怪我やないけど、敵のナイフがかすって血が出てもたから
久しぶりにする負傷、自分が負う傷ってこんな痛ないもんやっけ
｢大先生｣
｢…なんや、エミさん。怪我か？｣
｢私はテーピングに。貴方こそ、怪我ならグルッペンさんに報告しないと｣
｢こんなん怪我のうちに入らへんわ｣
｢現役時代より、突っ込み過ぎですよ｣
｢…何が言いたいねん｣
｢Aさんとあの子を、重ねてるんでしょ？｣
｢……｣
｢殺ったんは、Aさんの選択ですよ｣
｢おいエーミール、お前それ以上言うんやったら、｣
｢教えようとはするかもしれません。でも、それを学ぶかどうかは本人次第なんですよ｣
｢…それでも、あの子は、俺らに関わらんかったらこんなことになってへん。もっと平和な世界の人間やった｣
エーミールの言いたいことはわかる
全ては彼女の選択だったのだ
Aちゃんは自ら進んで、人を守り敵を狩る術を学んだ
それでも、あの優しい女の子に人を殺させてしまった
その事実は、どうしても俺の後悔を呼び起こす
また、あの甘い笑顔と美味しいお菓子を味わいたいのに
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まち(プロフ) - 初めまして、1話したのかと目から読ませていただき、完結までお疲れ様でした。とても素敵な作品に出逢えたこと、心から嬉しく思います。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年7月30日 3時) (
レス) id: 9b1209b0b8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こんにちは！あまりの面白さに思わず一気読みしてしまうほどでした!!!!!!!こんなに幸せで素敵なお話を読めてとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月11日 14時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
カラ - とても面白かったです。久しぶりに夢中になって読みました。素敵な作品をありがとうございます！ (2020年2月5日 20時) (レス) id: 4407d2bed4 (このIDを非表示/違反報告)
1 - あれ？HappyENDって、こんなに泣けるもんだったっけ？ って、半泣きで最後まで読ませて頂きました。とても良い作品でした。 (2020年1月11日 17時) (レス) id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
レック(プロフ) - すみれいんさん» 度々感想の方お聞かせ頂きありがとうございます！何度も楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。先の展開を知らないと気付かない伏線もたくさんはっておりますので、是非また、新しい笑顔をお見せいただけたらなぁと思います。 (2020年1月9日 9時) (レス) id: a402dc079e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年9月13日 0時
