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夕飯はすごい静かやった。
開始の音頭を取るグルッペンもいなければ食害するゾムも、煽るショッピ君も、いつも誰かしらに絡まれるAちゃんもいない
会話はするのになんか上手く回らんくて、どこか上の空で
Aちゃん寒い思いしてへんかなぁとか、明日の何時ぐらいに帰ってくるかなぁとか。
食事もそこそこに皆部屋へと切り上げた
夜風が顔の紙をめくる
直に見える景色はとても綺麗で、あの時と何も変わってなかった
“妹みたいに思ってる”と伝えて少し後悔した日
夜景を纏ったAちゃんを見て、その儚さに手を伸ばしたくなった日
あの日以来、時々テラスをお気に入りの場所として利用する彼女の背中を何度も見た
冷える夜にはちゃんと俺の言った通りブランケットを羽織っていて、愛しさがこみ上げつつも声はかけなかった。1人の時間もいるやろうから。
｢なんやロボロ、おったんけ。小さすぎて見えんかったわ｣
｢やかましいわ！！｣
一服しにきたコネシマは箱から1本取り出して火をつけ、満足気に煙を吐く
無駄に画になる顔の良さ、腹立つわぁ
｢やっぱテラスは気持ちええな！｣
｢…ああ、ここコネさんの場所やったもんな｣
｢俺の場所ってか、お前らがなんか遠慮してただけやぞ？｣
元々このテラスは、コネシマが夜に煙草を吸うことが多かった。煩いコイツもここで1人で吸ってる時はどこか遠くを見ながら考えに耽っていて、なんとなく俺らの間で邪魔しないルールができていた。
｢最近はコネさんが遠慮しとるやん｣
｢さすがにAの横で吸えんわ。甘いケーキに苦い煙草の味ついとったら嫌やろ？せやからここはAにやったんや｣
言葉通り、コネシマはこの半年、一切このテラスで煙草を吸っていない
Aちゃんが遠慮することのないように。ひとりの時間をとれるように。
コイツの優しさはほんま、わかりにくい
｢じゃあ俺、部屋戻るから｣
｢待てや。別に遠慮せんでええって｣
｢いや遠慮ちゃうけど…｣
｢ショッピ君と闘ったんやろ？感想教えてや｣
｢…はぁ。アドバイスできるほどのこともないで？｣
｢それは俺がお前の話を聞いてするんや！｣
遠距離も得意って聞いてたから近接があそこまで強いと思ってなかったこと、対応の速さに舌をまいたこと
俺の話を聞きながらふんふんと相づちをうつコネシマは真面目な顔をしてた。宣言通り、アドバイスに活かすんやろう。
俺の気遣いを受け取らんのも、後輩のための優しさも、こいつの優しさはほんま、わかりにくい
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まち(プロフ) - 初めまして、1話したのかと目から読ませていただき、完結までお疲れ様でした。とても素敵な作品に出逢えたこと、心から嬉しく思います。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年7月30日 3時) (
レス) id: 9b1209b0b8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こんにちは！あまりの面白さに思わず一気読みしてしまうほどでした!!!!!!!こんなに幸せで素敵なお話を読めてとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月11日 14時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
カラ - とても面白かったです。久しぶりに夢中になって読みました。素敵な作品をありがとうございます！ (2020年2月5日 20時) (レス) id: 4407d2bed4 (このIDを非表示/違反報告)
1 - あれ？HappyENDって、こんなに泣けるもんだったっけ？ って、半泣きで最後まで読ませて頂きました。とても良い作品でした。 (2020年1月11日 17時) (レス) id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
レック(プロフ) - すみれいんさん» 度々感想の方お聞かせ頂きありがとうございます！何度も楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。先の展開を知らないと気付かない伏線もたくさんはっておりますので、是非また、新しい笑顔をお見せいただけたらなぁと思います。 (2020年1月9日 9時) (レス) id: a402dc079e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年9月13日 0時
