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「なんで俺らがAちゃん嫌うん?」
『だって、裏切った、から…』
「脅されとったんやろ?」
『それはそうなんです、けど…』
「俺らのことどんだけ薄情やと思うてんねん」
「まあシッマは心無いけど」
「なんやとぉ!!」
昨日Aちゃんが眠ってる間に状況を整理して情報を得た俺たちはゆったり笑いながら彼女を見つめる
「そうだな、裏切り者には罰が必要だ」
グルさんまで悪ノリしてAちゃんにそう告げると、彼女は小さな肩を震わせ瞼をギュッと閉じた
あぁ、そんな怖がらしたあかんやろ
「A」
威圧感を出してAちゃんを睨むグルさん、俺は思わずその肩を掴む
「やめたれ、怖がっとるやろ」
「なんだトン氏、いいところじゃないか」
「女の子怖がらすのが好きとか、ほんまええ趣味してますねぇ」
そろそろ粛清しようとしていると、それを察したのかグルさんは威圧感を引っ込めた
「…はぁ、A。どんな事情があったとはいえ、幹部であるお前の行為をお咎めなしにすると下に示しがつかんのでな」
まあ実際はほとんど内密に進んでるし、Aちゃんに非はないからなんも問題ないんやけどな。本人は知らんだけで、彼女の笑顔にデレデレしている兵士は結構いる。たまに訓練所にお菓子を差し入れている彼女の人望とも言えるけど。
「お前には1週間謹慎を命じる。謹慎中は城から出てはならない。仕事もするな。1日8時間は寝ること。以上だ。暇なら俺のところに甘味を届けてくれてもいいぞ」
最後のはお前の要望やんけ
まあ要するに休めという命令だ。ここ最近まともに飯を食べてなくて恐らく眠れてもいなかったであろうAちゃんに、罰則という形で休みをとらせる。昼過ぎのお茶会がなくなるのでグルさんは渋ってたけど。
Aちゃんの身の安全を考えて城外への外出は禁止だ。
一方その罰とやらを聞いたAちゃんはポカンとしている
まあ、休みやからなぁ…
『あの、追い出すとか、肉体的苦痛を与えるとかは…?』
「そういうプレイがしたいのか?俺はそこまで得意じゃないが」
さっきまで虐めてたやつが何言うてんや白々しい。
まあさすがにAちゃんの言いたいことはグルさんもわかってる
一瞬で真面目な顔つきに変わり、真っ直ぐ彼女を見つめた
「お前は裏切ってなどいない。俺たちとお前の姉を守っただけだ。そのやり方に異議はあるが、感謝こそすれ何を恨むことがある。」
Aちゃんの瞳には大粒の涙が宿った
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フェルト - 伏線回収が神!うらつくで稀に見るほんとうの鬼才のお方ですね!最高です! (2019年9月14日 10時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 伏線回収が…!ありがとうございます、わかりやすいです…これからも更新楽しみに待っております! (2019年9月6日 19時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの子(プロフ) - 前作からの伏線がどんどん回収されてくのドキドキします…これからも更新楽しみにしております。 (2019年8月31日 7時) (レス) id: 54ffec1f7f (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 嫉妬する総統さまが…!!!最高です……!!!!!!ありがとうございます…!!!!!!!!!!!! (2019年8月27日 15時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 主ちゃん可愛すぎっ!惚れてまう!!続きが気になるんじゃぁ!!!更新頑張って下さい、楽しみにしてます!! (2019年8月24日 17時) (レス) id: 3584f7d8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レック | 作成日時:2019年8月18日 3時