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私の腕を掴み無言で総統室に向かうグルッペン様
その表情は険しく眉間には深い谷ができている
殺伐とした空気の中昼食を終えると、そのままグルッペン様は私を連れ出した
総統室に着くと腕からソファに投げ出し
自身は黒革があしらわれた椅子に深く座って私を鋭い目で見つめている
私は突然のことに驚き、彼の視線に怯えることしかできない
ソファに投げ出された態勢のまま肩を狭めながら恐る恐る見つめ返していると、ずっと真一文字に結ばれていた唇が言葉を紡いだ
｢どういうつもりだ？｣
『……な、なんのことでしょう』
｢お前は俺の猫だろう？｣
『はい…』
｢なぜトントンと一緒にいた？｣
『それは、トントンさんのお手伝いをさせて頂いていたからで、』
｢飼い主以外にしっぽを振ったと？｣
『っ、トントンさんにはいつもお世話になっていますし、自由にしていいと仰っていたので…！』
その一言でグルッペン様の眉間のシワが一瞬浅くなる。まるで驚いたかのように。
私を手のひらで踊らせるために演じた言葉を忘れていたのだろうか、迂闊なことを口にしたのはこの人らしくない。
しかし私が勝手にトントンさんの元へ行っていたことを責める理由はなくなった、そう理解したグルッペン様は立ち上がり引き出しを開ける
｢…これは、他のやつから止められたからやめておこうと思っていたが。｣
その手には、黒い首輪
『グルッペン様っ、』
｢仕方ないことだ｣
無表情のまま私に近付くと、首に手を伸ばす
付けたからといって痛めつけられるとは思わない、ただ、これ以上恥ずかしい格好をする上、先程のトントンさんのような反応をする人が増えるのではないかと、見た人に引かれてしまうのではないかと、心配と恥辱で強い拒否反応を示した
しかしそんな私の抵抗など歯牙にもかけることなくカチャリと首元で音が鳴る
ベルトの金具が閉まった音
『グルッペン様……』
絶望のその音に涙を潤ませると、目の前の彼は無表情を崩し愉悦に満ちた笑みを浮かべていた
｢ああ、やはり最初からこうすべきだったな。似合っているぞ、A｣
『う、嬉しくありません…』
｢飼い主に褒められたら喜ぶものだ。その泣き顔も非常にそそるがな｣
満足そうに椅子へ戻ると鼻歌交じりに仕事を始めたグルッペン様
私は今更この部屋を出る気にはなれず、見えない鎖がそこにあるかのようにその場でじっとしていた
本当の不可視の鎖は、もうすでに近くにあると知らずに
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フェルト - 伏線回収が神！うらつくで稀に見るほんとうの鬼才のお方ですね！最高です！ (2019年9月14日 10時) (
レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 伏線回収が…！ありがとうございます、わかりやすいです…これからも更新楽しみに待っております！ (2019年9月6日 19時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの子(プロフ) - 前作からの伏線がどんどん回収されてくのドキドキします…これからも更新楽しみにしております。 (2019年8月31日 7時) (レス) id: 54ffec1f7f (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 嫉妬する総統さまが…!!!最高です……!!!!!!ありがとうございます…!!!!!!!!!!!! (2019年8月27日 15時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 主ちゃん可愛すぎっ！惚れてまう！！続きが気になるんじゃぁ！！！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 3584f7d8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年8月18日 3時
