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お菓子を運んだカートを部屋に戻し総統室に入る
一体何をさせられるんだろうと怯えているとグルッペン様は書類に手をつけ出した
『…あの、グルッペン様？』
｢なんだ？｣
『私は今日、何をすればいいのでしょう……』
｢なにかしたいのか？｣
『させたい事があるんじゃないかと思っただけです、できるなら着替えたいです』
｢それはダメだ｣
『ですよね……』
すると｢ふむ。｣と芝居がかった仕草で口元に手をやるグルッペン様。そしてまた芝居がかった笑顔でこう言った
｢猫は基本飼い主に懐かず自由に行動する。だから好きなことをすればいい。この部屋にいなくても構わないぞ。ああ、ただし自室に戻るのはなしだ。｣
『…？わかりました。では、失礼します。御用があれば呼んでください』
そのまま部屋を出て、図書室にでも行こうかと思い歩き始めて気がついた
あの人の策略に
自室に戻るのはなし、そして総統室以外のどこかへ行こうとすれば、必然的に誰かの目には止まるのだ
この、色んな意味で恥ずかしすぎる格好が……！
踵を返しノックもそこそこに総統室へと戻る私
そんな姿を予想していたかのように彼は芝居がかった口調でこう言った
｢おや、自由だと言ったのに態々戻って来たとは。そんなに一緒にいたかったのか？｣
イキイキと演技をするグルッペン様は心底楽しそうで、その手のひらの上で踊らされた私は悔しさと恥ずかしさでいっぱいだ
｢仕方ない、折角構って欲しいと寄ってきたんだ。仕事を止めるしかないな｣
さっき見た時より1枚も進んでいない書類の上にペンを投げ出した彼は両手を広げて首を傾げる
｢どうした、こないのか？昨日はあんなに勢い良く飛び込んできたのに｣
『まさか…』
｢菓子でも食べよう。A特製のクッキーをな。｣
そのまさかのようで、いつまでも動かない私に視線をやると自らの膝をポンポンと叩く
足を無理やり動かして近付けば、彼の腕は私を掴み器用に足の上に乗せた
『ちょっ、グルッペン様、これは恥ずかしすぎます！！』
｢なんだ、お前が構って欲しいと戻ってきたんだろう｣
『だってそれは、グルッペン様が…！』
｢俺は自由にしろと言ったはずだが？｣
口と策略でこの人に勝てるわけがない
諦めて大人しく座れば口元にクッキーが差し出された
｢ほら、あーん｣
『グルッペン様…！』
｢飼い主に逆らうのか？｣
懇願の眼差しもあっさり砕け散った
さっき自由にしろって言ったじゃないですか…！！
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フェルト - 伏線回収が神！うらつくで稀に見るほんとうの鬼才のお方ですね！最高です！ (2019年9月14日 10時) (
レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 伏線回収が…！ありがとうございます、わかりやすいです…これからも更新楽しみに待っております！ (2019年9月6日 19時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの子(プロフ) - 前作からの伏線がどんどん回収されてくのドキドキします…これからも更新楽しみにしております。 (2019年8月31日 7時) (レス) id: 54ffec1f7f (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 嫉妬する総統さまが…!!!最高です……!!!!!!ありがとうございます…!!!!!!!!!!!! (2019年8月27日 15時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 主ちゃん可愛すぎっ！惚れてまう！！続きが気になるんじゃぁ！！！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 3584f7d8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年8月18日 3時
