96 ページ46
罰則が言い渡されてから3日経った
この3日間はしっかり寝てしっかり食べて、また訓練についていけるように体も動かした
昨日は昼過ぎにグルッペン様がやってきて｢なぜ差し入れがないんだ？｣とキレ気味に仰られたので慌ててレアチーズケーキを作った。甘い物のこととなるとグルッペン様は結構怖い。味に厳しいという意味ではなくて、誰かに取られると凄まじい殺気が出る。普段から全てを圧するようなオーラを感じるので素の彼を知らない人にとっては甘い物関係なく怖いんだけど。
ケーキを食べたグルッペン様はたちまち上機嫌になって帰って行った。夕飯の時に｢やはり糖分をとらないと仕事にならんな！｣と言っていたので、罰則という名の休暇中もケーキを作ろうと思う。元々その為にここにいるのだし。
3日間体を休めたので、私は約束を果たすべくある人の私室を訪れていた。二人きりで話す機会はあるものの、誰かの私室に入るというのは滅多にないので緊張する。
『エーミールさん、Aです』
扉をノックすると、程なくして中からミルクティー色の彼が現れた
｢こんにちは、Aさん。お待ちしてました｣
今日はエーミールさんとお茶をする日
あの日、私の珈琲が飲みたいと言ってくれたエーミールさん
部屋に入り早速珈琲の準備をするも、手が少し震えてしまう。今日の珈琲には何も入ってない、入れてない、そんなことしなくていいはずなのに
｢Aさんはブラック派ですか？｣
『い、いえ！私はだいたいミルクをいれます…』
｢甘党の人はやっぱそうなんか。あ、でもうちの人結構ブラック派やな。｣
『紅茶も、ストレートが多いですね』
｢確かに。でもその珈琲はミルクいれてもいれんでも美味しそうな香りしてます｣
『香りでわかるものですか？』
｢まあ、豆の種類には詳しいので…仕事中はいつも珈琲なんですよ｣
『今度から珈琲もご用意しましょうか？』
｢ああ、いえ。紅茶も好きですから。Aさんがケーキに合うと思ったものを飲ませてもらいますよ｣
今度から、と自然に言える自分に驚いた
ここに居たいと思っていて、居てもいいと言ってくれる皆さんがいる。それはどれほど幸せなことなんだろうか。
気付けば、手の震えは治まっていた。
『お口に合うといいのですが』
｢オペラですか。これはまた美しい｣
作ったのは珈琲風味が特徴のオペラ
上品で大人っぽい味がエーミールさんぴったりだ
｢では、いただきます｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 957人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フェルト - 伏線回収が神！うらつくで稀に見るほんとうの鬼才のお方ですね！最高です！ (2019年9月14日 10時) (
レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 伏線回収が…！ありがとうございます、わかりやすいです…これからも更新楽しみに待っております！ (2019年9月6日 19時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの子(プロフ) - 前作からの伏線がどんどん回収されてくのドキドキします…これからも更新楽しみにしております。 (2019年8月31日 7時) (レス) id: 54ffec1f7f (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 嫉妬する総統さまが…!!!最高です……!!!!!!ありがとうございます…!!!!!!!!!!!! (2019年8月27日 15時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 主ちゃん可愛すぎっ！惚れてまう！！続きが気になるんじゃぁ！！！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 3584f7d8aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レック | 作成日時：2019年8月18日 3時
