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ちょっとホラーかも。トラウマ注意。
結末含め、ここから先はなんでも許せる人向けです。
「……っ、？」
赤いりんごを口にする。
ふわふわと抜けていく意識。
何かが迫り来る感覚。
何が迫って？
………死か？
真っ赤なリップを唇に塗った黒髪のボブの女が何かを喋る。
激しく、早く、
何を言っているのかはわからない。
怒り狂った瞳と動き続ける唇がズームされ、何も聞こえないはずなのに耳を塞いだ。
「……っは、！！！」
ひたいの汗を拭う。
夢、
安心したのも束の間、今までにない程苦しい発作が俺を襲った。
真っ暗な部屋の中で、ナースコールを探そうと両手が彷徨う。
ぴしゃっと布団の上に何かが飛び散る。
見えない、わからないけど、なんでか鉄臭い。
「しらっ、や、ｯ、はまちゃぁｯ、！！」
パニックに陥った俺はナースコールを探すことすらままならず、そのベッドの上から飛び降りた。
ドン、っと膝から落ちて激しい痛みが襲う。
知らない、血を吐いたことなんて今まで一度もない。
こんなに息が苦しいのも、こんなに怖いのも今までなかった。
喉元を引っ掻いてなんとか呼吸をしようとする。
それでも全然苦しいのが止まらなくて、気づいたら、なんでか自分で自分の首を絞めてて。
「重岡さん？！」
やっと見回りの看護師さんが来て、俺のベッドと真っ赤な唇を見て、生唾を飲み込んだ。
「シゲちゃん！！大丈夫か、苦しいか？首絞めないで、手の力抜いて、」
看護師と入れ替わりで入ってきたのは、いつもに増して間抜けな格好をした�陲舛磴鵝�
髪もぐしゃぐしゃで、メガネも白衣のポケットにかかったまんま。
「はまちゃっ、こぁいｯ、しぬのいややっ、なぁっ、」
うん、うん、せやなって、
返事をするけどもちろん上の空で全く聞いちゃいない。
ちゃうねん、絶対もう、死んでまうの、俺。
やってこんなにしんどいの、今までなかってんもん。
せやからもう、治療とかええから、救命とかええから、こっち向いて、ぎゅうして、辛かったって慰めて。
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作者名：Lewis | 作成日時：2022年3月20日 18時
