西侍の短編集【Part2】 (ページ33)

今日:17 hit、昨日:22 hit、合計:57,489 hit

• ページ33

.

それから、昨日は淳太が何もないところでコケただとか、流星が水を小瀧の服にこぼしただとか、しばらくみんなで適当に話してると、濵ちゃんの目からぽろっと涙が溢れた。

「えっ、ちょっと待って？！どうしたん？！なんか思い出してもうた？！最後に喋ったん誰？！流星？！」

「は？絶対俺ちゃうし！俺泣かせへんよ、ジェントルマンやから！」

「うるっさいねん、お前や絶対！何がジェントルマンや！」

なんか意味わからんことほざいてる流星と、肩を叩き合う。

そしたら何故か、笑いながら泣いてる濵ちゃんと目が合って。

「……ちゃっ、ちゃうくて、我慢してたもんがこう、一気に、ぶわぁっ、て、」

なんでなんやろ、おかしいなぁ、目を擦る濵ちゃん。

「…………ハグ、してもええ？」

「っえ……？」

いつもは俺から嫌がるハグも、今日はしたい。

「頼れよ。弟組があかんねやったら、淳太でも、照史でもええから」

俺ら、濵ちゃんが笑うだけで頑張れんねん、アホやから。

そんな冗談かまして、大人しく胸の中に収まる濵ちゃんをきつく抱きしめた。

どうか、濵ちゃんが、もっと愛に頼ってくれるようになりますように。